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天に紅い風華舞うは災厄の訪れ

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hayate

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第二次消去者戦…
異世界を巻き込んだこの戦いは異世界連合軍特殊独立部隊「ワールドナンバーズ」と消去者側の穏健派代表である藤岡皐月の手によって幕を下ろした…
後に藤岡皐月は前当主である黒曜に成り代わり新当主として消去者の長の地位に治まり荒廃した混沌界とその組織の修復に貢献している…
しかし異世界連合には参加せず独自の神霊科学や異次元科学の漏洩防止や悪用を防ぐと言った独自の方法で世界を纏めるとの事でその世界の扉を閉じたのであった…
その後、「Lアース戦役」と呼ばれる戦いの際に異次元からの干渉による武力行為との事で悪用阻止の名目の元で異世界連合に協力し事を収めた…

そして…

統合暦029…
ようやく動き始めた時の巡りは再び止まろうとしていた…

*


『いつか世界に紅い風華が舞ったらそれは新たな災厄の始まり…覚えておいてね…』

別れ際に残された彼女の最後の言葉…
それぞれの脳裏に残る中で…
戦士達はそれぞれの人生を歩んでいた…


=混沌界・首都セイラム=

かつて消去者達の本拠地であった首都セイラム…
そこは聖アルス・マグナ帝国の民達とそこに住む消去者達の民と共に繁栄を取り戻しつつあった…

「ふぅ…」
『随分とお疲れのようですね…』
「平気よ、これ位……聖牙君こそ体の方は大丈夫なの…?」
『大丈夫、ちゃんと執務の量を決めてやってますから…』
「そっか…」
『そろそろ休憩にしますか…ミァちゃんがお茶を持ってきてくれる筈ですから…』
「じゃ、とっておきの駄菓子出してあげるね…」

執務室へ入って来るミァ…

『ご主人にゃま~聖牙にゃま~』
「ミァ、お疲れ様」
『お茶をお持ちしましたにゃ、それと聖牙にゃま、日世にゃまと月世にゃまがお帰りになりましたにゃ…お止めはしましたがいつも通り城下へ遊びに出かけられましたにゃ』
「…やる事やったなら別に遊ばせてもいいと思うけど」
『先程、ロイファにゃまと鏡牙にゃまに捕まってこってり絞られてましたにゃ…』
「兄さんもあの人も厳しいですからね…」
『では、またですにゃ…』

お茶道具一式とその他諸々をテーブルに用意すると部屋を後にする…

『あの子達もまだまだ遊び盛りなのですが…兄さん達がどうしてもと…』
「ま、Lアース戦役の後だし…ピリピリするのは解るけどね…」
『また戦いが起きると…』
「そんな気がしてならないのよね…スフィアの一件が全て終わったわけじゃないから…」
『12の鍵…対極への道が開かれる…でしたね?』
「オリジン・ロー…源理の力……ま、悪用させない為に私が居るんだけどね?」
『12の鍵の内…2つまでは確認出来ましたが…』
「正確には4つよ…」
『っ!』
「その内の一つはココに有ったみたい…逃げられたけどね…」
『…どう言う事ですか!?』
「私達が消去者に捕まるずっと前に居たらしいけど…裏切って逃げたらしいわ…当時の当主だったダーク・ブレインも放って置いていたらしいし…」
『そうだったのですか…』
「そいつの持っていたスフィアは「偽りの黒羊」って言う名前だったわ…」
『偽りの黒羊……白羊座のスフィアですね…』
「そ…そしてアサキムが持っていた「知りたがる山羊」…」
『山羊座のスフィア…』
「これで四つ…残りは依然として不明…気になるのが何で12星座なのかって事…」
『確かに13星座なら蛇使い座がありますからね…』
「それが存在すれば…アンチキーでありそうな気がするのよね…」
『つまり12の鍵を壊す為…もしくは…』
「12の鍵を取り込む為…もしも名前の通りならスフィアリアクター同士を争わせて残った一人を取り込む事も可能だからね…俗に言うチートアイテム…」
『……』
「アサキムが12の鍵と言った時点で12個しか存在しないと思いたいわ…」
『あの……もしかしたらなのですが…』
「何かあるの…?」
『はい、私がまだ人間だった頃…皇帝となる一ヶ月前でしょうか…隣国の皇子にこんな話を聞いたことがあるのです…』
「…どんな?」
『その国の皇子の話では…』

我らの国に幾多の災厄が訪れる…
『尽きぬ水瓶』を手に入れし皇子はいずれ訪れるであろう災厄に立ち向かわん…
そして12の鍵の戦乱に巻き込まれるであろう…
その時、多くの者を失うであろう…

『と、国の占い師に預言されたそうです…』
「もしかしてその『尽きぬ水瓶』は水瓶座のスフィアかもしれないわね…」
『おそらく…ですが、その国家も我々の帝国が滅んだ数年後に大災害で…』
「滅んで数万年じゃ調べようもないか…スフィアも転位して残滓も残って無いだろうし…」
『ええ…』
「とりあえず、数入れにしてこれで5つか…」
『残りは7つですね…』
「そうね…っ!?」
『この揺れは…!?』
「これは誰かが転位してくる…しかも無理やりな方法で…」
『まさか…』
「居たっておかしくは無いでしょ…世界は広いからね…」
『たしかに…』
「ともかく、聖牙君は民達の避難を最優先させて…万が一の事もある…」
『解りました…軍部も戦闘態勢にしておきます!』
「ココへ殴りこみをかけて来るとは言い度胸だしね…」
『程ほどにお願いしますよ…?』

それが悲劇の始まりだった…

「では、姫君は頂いて行きますよ?」
『マスター!?』

私と私の子供達を護ろうとして破界の王のリヴァイブ・セルを受け…
マスターは次元獣と化した…
そして高笑し私達のマスターをあの男が連れ去って行った…
アイム・ライアード…
偽りの黒羊のスフィアを持つあの男に…

=終=
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