アヴェンジャーのサーヴァントが召喚された日から1週間が過ぎた頃…
ここ冬木市の指定釣場では…
「釣れないな…」
「釣れねえな…」
「釣れんぞ…」
むさくるしくも男3人がボソリと同じ事を呟いていた…
衛宮士郎を筆頭にランサー、アーチャーも息が合ったかのようにため息を付いた…
「やけに釣れないな…」
「いつもなら釣れるのによ…今日はハズレか?」
「早朝から粘って5時間…一体どうしたものか…」
そして再び同時にため息した瞬間…
「見つけたわよ…アーチャ!!」
恐ろしい怨念の様なオーラを漂わせてこちらに走ってくるのは遠坂凛…
そして間髪入れず飛び蹴りをかましアーチャーは一瞬の隙を突かれ堤防から落ちテトラポットに顔面を打ち付け海へと転落する…
それを唖然と見ている衛宮とランサー…
「こんな所で油を売っていると思ったわ…!」
「何だ、いきなり!」
「アーチャー!今すぐ、聖堂教会に行くわよ!衛宮君も!ついでにランサーもね!」
「俺はついでかよ…」
「それよりも遠坂、一体どうしたんだ?」
「来れば解るわ…」
士郎達は凛の表情から多々ごとではない事を悟り、釣具一式を片付けて聖堂協会へと足を運んだ…
=聖堂教会前=
「士郎」
聖堂教会にたどり着くとセイバー他サーヴァントとマスター達が集まっていた…
「セイバー、それにイリヤ…桜も」
「ランサー」
「バゼット、一体どうしたんだ?」
「私も凛に呼ばれただけでまだ…」
「全員集まったわね、さっそくだけど教会に入って頂戴…話はそれからよ…」
そう答え、凛が教会の扉を開くとそこには居る筈のない人物が居た…
「お前は…言峰!?」
そう…
第五次聖杯戦争で死亡した筈の言峰綺礼が目処前に立っていたのだ…
そしてその奥には既にギルガメッシュも居座っていた…
「久しぶりと言った方が良いかな?マスター並びにサーヴァント諸君…」
「どうしてお前が…!」
「私の話は後でしよう、まずは緊急を要する話をしなければならない…」
「どういうことだ?」
「失った筈の聖杯が新たに創造された…」
その言葉にその場に居た全員が動揺を隠せなかった…
「何だって!?」
「その聖杯は受肉した君達の他に新たなサーヴァントを作り出した…」
「まさか…?」
「またはじまると言うの聖杯戦争が…!?」
「そうとしか言い様がない…」
「そんな…」
「新たに召喚されたサーヴァントは3体…ダンサー、マシンナリー、そして…アヴェンジャーだ…」
「待ってください、アヴェンジャーのサーヴァントはもう…」
アヴェンジャーの言葉に桜が反応するが…
「今回召喚されたのは新たなアヴェンジャーのサーヴァントだ…君を蝕んでいたアヴェンジャーとは異なる…」
「そうですか…」
「待て言峰、アヴェンジャーはともかく…ダンサーとマシンナリーとは聴き慣れぬクラスだな…我としては興味深いが?」
「それを話すには私の事を話さなければならない…」
「そうだ…お前はあの時、俺が…」
「そう、君に命を消された私は死ぬ筈だった…だが、新たに創造された聖杯によって私は生き返った…そして聖杯から聞いたのだ…」
「言峰、何を聞いたと言うのだ?」
「この聖杯戦争はアヴェンジャーに勝利した者へ聖杯をさずけるとな…」
「何だって…」
「受肉を果たした8人のサーヴァントと3人の新サーヴァントによる聖杯戦争は今宵より開始される…そしてその審判役として私が復活させられたのだ…」
「…?!」
「新サーヴァント達の正体は不明だ……だが、近くに居ることは確かだろう…」
「でも、私達にはもう令呪はないわ…」
「今一度…戦いを止めるのならば再契約するといい…審判役の私が認めよう…」
嘗てのマスターとサーヴァント達は動揺しつつも…
戦いの真意を知る為に…
それぞれが契約を紡いだ…
戦いの真意を知る為に…
それぞれが契約を紡いだ…
衛宮はセイバー…
凛はアーチャ-…
バゼットはランサー…
桜はライダー…
イリヤはバーサーカー…
総一郎はキャスター…
アサシンに関しては二重契約の元、総一郎が兼任し…
その魔力を他のマスターが補完する事となった…
ギルガメッシュに関してはセイバーと共に居るために…
嫌々ながらも衛宮と二重契約を結んだことは言うまでもない…