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私は本体を棺から取り出し…

本来の体へと戻り…

その力を取り戻した…

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以前のかりそめの体と変わりない本当の体…

開放感と共に心地よさを感じた…


『ありがとうございます……貴方の御陰で目的が達成出来ますよ…』
「っ…………」
『私は貴方の運命を変えたいのですよ……』


彼は悲しげな眼で私を見つめた…

どんな事をしても欲し…

何かを求める…

そんな眼だった…


「……私は望んでいない」
『…』
「たとえ…これが私に定められた運命でも……」


私は驚いた…

私の手によって魔力を奪われた彼女が立ち上がったのだ…

そう…

それも一瞬の事だった…


「私は運命を認め…そして……この手で書き換えてみせる!!」
『っ…!?』


彼女の周りが閃光に満たされ…

光が消え去った後に現れた姿は…

純白と浅葱の装甲を纏った騎士…


「何故、魔痕を付けられる前の私が魔界で下級悪魔に狙われなかったのか…その理由は…この姿よ……」
『…』
「貴方と別れた跡、私はこの姿に覚醒した…生命の在る星を支配する為の駒として…寄生生物ラダムによって…全てが変わったのよ…」


表情見えぬ仮面越しで彼女は語った…


「と、言っても…この戦闘能力に魅了された輩に寄生させられたのだけど……神経を乗っ取る生物も死滅して…残ったのはこの力だけだった…」
『……フフフ…ハハハハっやはり貴方は素晴らしい…』
「…何がおかしい!」
『貴方はやはり「神を壊す破壊神」なのです!…全てを跪かせ…そして這いつくばった相手を嘲笑し…この堕落し腐った世界を変えるのですよ…!!』
「…黙れ」
『貴方は選ばれたのですよ…世界を壊すものとして……だからこそ生き残り…姿を変え…こうやってここに在るのですから!!』
「……黙れと言っている」


その冷徹な声に私は戦慄した…

押しつぶされそうな気配…

そして仮面越しから見下ろし全てを見下す眼…


「……その口を閉じろ…二度と話すな…その目で見るな…永久に塞げ…その身を晒すな…この場で朽ちろ…お前はここに在らず…あるのは一冊の本…書かれし文字は…お前の血…本を守りし表紙はお前の皮膚…本を纏める背は…お前の骨…挟まれし紐はお前の髪…本に刻まれし陣はお前の魂…それを解き放つは我が血…ここで眠り…萎びた蟲に喰われる恐怖に怯え…黒き黴に蝕まれる孤独に飲まれ…漆黒の世界に永久に眠る狂気に侵されよ…!!」


私が言葉を語り終えたとき…

そこには一冊の本があった…

彼はそこに在った…

私は持っていた紅いルージュでその本に題名を付けた…

『色欲の魔痕』

そして水晶で創ったブックベルトで本を留め同じケースに納め…

彼の居た場所に本を置いた…

骨の万年筆と紅いインクの入った小瓶と共に…


=続=