それから魔界で数年が経った…

私は彼女を護る為に決心を固めた…

かつて砂漠の奥地に封印された本体を蘇らせるために…

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人間がギザと呼ぶピラミットの地下…

王の寝室よりももっと奥深く…

光も届かない暗闇の世界…

そこで私は初めて彼女に偽りの証言をした… 


『ここです…』
「ピラミットの中にこんな場所があるなんて……」
『まだ人間に発見されていない場所の一つですからね…』
「…そっか」
『さてここからが本題ですよ……』
「封印された魔物の様子を見てこいって言われてもね……」
『かつて閻魔が封印した7代魔公の本体…その内の一体がここに眠っているのですよ…』
「…本体が封印されているのならワイズはどうなっているの?」
『ここにあるのはかりそめの体ですよ…精神を抜き取られている様なものです…』
「…ぬいぐるみの綿抜きみたいな要領?」
『間違ってはいませんね……(発想が酷いですが…』


クスクスと笑い私達はピラミットの下へ降りていく…

そこに在るものが何なのかも知らずに…

何も知らない彼女に対し私は心の中で薄ら笑いをした…

そして知られざる最下層へたどり着く…

室内は広くその広さは人間が室内で体を動かす場所に近かった…

その奥の祭壇に結晶の棺が置かれていた…


「もしかしてあれが封印された本体…?」
『そうです……まあ、あの様子では封印は敗れていないようですが…』
「ちょっと調べてくるね…」
『どうぞ…』


彼女は祭壇に近づき棺の中を覗いた…

その姿に驚いて私に叫んだ…


「ワイズ…これ…どういう事?」
『…何がですか?』
「ここに封印されているのは『強欲』の魔公の本体じゃ…?」


一歩後ずさった彼女の体を後ろから支え…

戸惑った様子で私に語りかけた…

私は彼女に対し顔を歪ませ真実を語った…


『違いますよ……本当は私の本体が封印されていたのですから…』
「全部嘘だったの……ワイズ?」
『貴方を手に入れたい…その為に本体がどうしても必要でしたから…』
「嘘…全部嘘よ!」
『これが真実です…私は貴方の全てが欲しいのですよ…』


私の偽りの証言に動揺し…

そして混乱する彼女の唇を無理やり奪い…

そこから急激に魔力を吸い取り身動きが取れないようにした…


「はぁっ………う…」
『準備は整いました……』
「やめ……て…ワィ…ズ………」
『全ては…貴方の為に……』


急激な魔力の枯渇によって気を失った彼女を抱き上げ…

私は本体へと足を踏み出した…

=続=