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一夜明けて…

私は盛大に彼女から平手打ちを喰らいました…

理由は言わずとも解ると思いますが…

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彼女はベッドの中でシーツを握り締めて顔を埋めていた…


「うう…自己嫌悪………」
『とても美味しかったですよ……』
「恥ずかしいから言わないで……ワイズ…」
『おやおや……本当に可愛い人だ…』
「……もう一発喰らいたいの?」
『それも構いませんが……まだ完全に動ける状態ではないでしょう?』
「魔力を渡すのがあんな方法だったなんて知らなかったから……」
『そうですね……今度は事前に説明するようにしましょうか?』
「……ねえ、昔の姿になってくれない?」
『ああ……構いませんよ?魔力を頂いたお礼ですからね…』


私はあの獣の姿に戻りベッドに横たわる彼女の側へ寄り添った…


「昔と同じだね……こうやって一緒に居てくれて…」
『ええ…』
「ふわふわして……あったかくて気持ちいい…」
『あの頃はいつまでもこうやっていられれば良かったと思いましたよ…』
「……」


彼女は何も言わずただ私の体を抱きしめうずくまったままだった…

言葉で揺さぶりをかけ彼女の真意を探らずとも表情で…

あの頃に戻りたいと未練を残していた事が手に取るように解る…

そんな姿を見た私は無様と思えてしまう程に残念な気持ちにもなった…

戻る術などありもしないのだがら魔を受け入れれば良いと…

そんな未練を持つのは人の心がまだ残っていると言う事だ…


「……そろそろ戻らなきゃ」
『……私と一緒には居られませんか?』
「貴方は魔界を守護する7代魔公の一人…なら無理でしょ?それに私には閻魔様からの仕事もあるから……」


彼女はふらつく体に鞭を打ってベッドから起き上がり身支度を始める…
元の黒い和装に戻ると髪を簪で留めて結い上げる…

そして自身の胸元に付けられた魔痕にやっと気がついた…


「これは…」
『私と交わった証ですよ……それがある限り貴方は私から逃げられないと言う意味もあります…』
「……別に付けなくてもまた会いに来るつもりだったのに」
『貴方は知らないと思いますが貴方の様に稀に死者から魔に転化したものは狙われやすいのですよ……』
「……どういうこと?」
『下級魔族がその魔力を狙って襲うケースが後を絶たない……その多くは喰われてしまう事もありますからね…』
(私の場合、多分ないと思うけど……)
『それに魔公の者に手を出せば命はないと下級の者からは認識がありますし…』
「さすが上下関係な統制世界…」
『お守りだと思ってくだされば……』


私は独占したい…

彼女と離れたくない…

そして誰かに奪われるのを恐れていた…

私は…

彼女を愛していた…

=続=