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ポストウォー・メイクメリー

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概要


第一次接触戦争(ファーストコンタクト)。
そう呼ばれる戦いが、かつて存在した。

2024年、突如として出現した時空間の穴によって我々の世界は異界と繋がり、恐るべき生命体が地球に流入した。
有機物も、無機物も、エネルギーも、時空さえも食らってゆく『生ける悪夢』。
イクリプスと呼ばれたその生命体は、人類との長き死闘の末、地球上より完全に駆逐された。
それとともに、異界に繋がる穴もまた消失。地球を襲った長きに渡る危機は決着した。
2065年。開戦より40年の時を経ての終戦だった。

しかし、戦後の問題は山積みだった。
イクリプスという共通の敵が去ったことで、統一されていたはずの地球政府は分解。
元の『国々』に戻った各国は、競うように疲弊しきった地域へ侵攻し、その勢力を伸ばしていった。
終戦から一ヶ月後に始まった弱肉強食の乱世の時代は、わずか一年で収束を見る。
その陰には、『戦場で有利な側に味方する所属不明部隊』の姿があったが、その目的がなんだったかはわからない。
しかし、彼らの存在により、勝つべき者が勝ち、負けるべき者が負け、戦争を早期に終わらせた。
結果、皮肉にも世界は戦前と変わらぬ姿になって、安定を得ている。

一方で、戦乱を乗り越え、もっとも力を得たのはいったい誰か?
国か? 軍か? どれでもない。
その答えは、『企業』である。
戦争によって生まれる莫大な需要。先見の立っていた企業は前大戦からその恩恵にあずかり、今や国家をも超えた力を獲得するに至っている。
真に世界を動かしているのは、資本のために対立し、打算によって手を取りあう浅ましき者ども。
その王こそが、『インダストリアル・インフィニティ・インコーポレイト』。通称『III』だった。
戦前より兵器産業の支配者として君臨していたIIIは、たび重なる戦乱を利用して勢力を拡大してゆき、
そして、ついには世界のトップ企業にまで上り詰めた。国連すら、ただの形骸と化すほどの権力を携えて。

そして、2069年。
世界第2位の企業である『姫川グループ』の存在によって、世界唯一の独立国家として成立している国、日本。
T都S市に存在する、ある邸宅に、ひとりの男がいた。
金と時間を持て余し、馬鹿騒ぎをしながら日々を過ごす男が。
その名を姫川雅宗。姫川グループ総帥、姫川雅行の長男である。
この男こそ、長きに渡って台頭してきたIIIを打ち倒す男の父親になるということには、まだ誰も気づいていない。
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