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*聖霊教会(せいれいきょうかい) 神霊同盟の母体ともなった、同盟傘下の中では最も古い霊能共同体。 その源流は、世界で初めて霊能力に目覚めた“神の子”が興した宗教とされる。 鴎州を中心として、世界各地で発展してきたが、 悪魔と呼ばれた忌霊の出現により、対悪魔機関の意味合いを持つようになる。 その教義は複雑多岐に渡るが、根本は&bold(){人界と霊界の分断}にある。 霊能者は生まれ持って人間より優れた力を持つが、 それは常人のように、血の滲む努力で得た力ではない。 また、常人と比べ圧倒的に少数派だ。 そのような者たちがこの世を支配するようになれば、 機会の平等や人々の向上心は失われ、人類社会は衰退に向かう。 故に霊能は社会の目から秘匿し、その力を社会の営みに、特に政治や経済に及ぼしてはならない。 “政霊分断(せいれいぶんだん)”……それが聖霊教会の掲げる信仰の要点である。 故に彼らは、人界と霊界の境界を踏み越える霊能者を排除しようとする。 また、人類同士の戦争や恐慌が起こっても黙殺し、 そこに霊能者や忌霊が関わらぬ限り、人界への不干渉を貫く姿勢を取っている。 聖霊教はラテリア教皇国のルーマ教皇を頂点とする、 現実の宗教団体でもあるが、やはり霊の存在は秘匿されている。 いかに一般人たちが神を崇拝しようと、それが目に見える形で現れることはないのだ。 この根源にあるのは、原初の霊能者である“神の子”が無実の罪で処刑される際、 その気になれば霊能を用いて楽に逃げられるはずなのに、 自らの信念に殉じて人間社会の法に則り死を選んだことへの、崇敬の念である。 聖霊教会の教えが世界各国に広まるにつれて、やがてこの教えが霊能者の基本原則となる。 これによって、長きに渡り霊能の存在は、社会の目から秘匿されることになる。 だが、森羅万象がそうであるように、どのようなものも社会の営みと無縁ではいられない。 完全な分断などは不可能であり、教会の上層部や、 国家元首に対しては、より完全な秘匿のため、接触を持つことを許している。 また、一般人に対する霊的治療については、“神の子”も行っていたことから、 それが霊能によるものだとばれない限りは認められている。 その教義ゆえに、霊能力者が国家元首の地位に納まり、国家を支配している中華靈国は 真っ向から教義に反する存在であり、激しく敵視しているが、 彼らとの戦争が人界を巻き込み、霊能者の存在を 更に世に広めてしまいかねないという理由で、冷戰を続けている。 だが、その頑までに社会と距離を置く姿勢は、やがて訪れる第弐次世界大戰において、 国家と緊密に結びついたFALBEに後れを取り、大打撃を受ける原因となった。 大戰の打撃で聖霊教会は大きく弱体化。神霊同盟最大勢力の座から転げ落ちる。 代わりに、政霊分断に対して柔軟な姿勢を取る合衆国のメサイヤが 神霊同盟の中心となったことで、そのあり方は徐々に開放的な方向へ向かっている。 今も聖霊教会は、この動きに危機感を募らせ、反発しているが、 それで戦争を起こせば本末転倒なため、鴎州より外にはあまり干渉できずにいる。 →[[聖霊騎士団]]

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