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170 名前: 1/2 [sage] 投稿日: 2006/07/30(日) 10:53:22 ID:bEbC0g0PO 開かずの間じゃないけど、実家の裏庭に井戸小屋がある。 今の実家が建つ前からあるはずだから少なくとも50年は経ってるんだが、 親父が物心ついた時にはもう小屋自体封鎖されていたとのこと。 というのも祖父の妹だか姉だかが、気狂いになり、排泄物を投げ込んだらしい。 何度言い聞かせてもその大叔母は井戸での排泄をやめず、 しまいには井戸小屋で生活し始め、周りには異臭が漂うようになった。 最後は、満月の晩に井戸に身を投げ自殺したのだという。 生前の祖父曰わく、水回りには必ず水を好む「憑き物」がおり、 大叔母は「持って行かれた、水に還られた」のだそうだ。 そんな曰く付きなのに取り壊されないのは、当の祖父こそ、 何かに取り憑かれたように井戸小屋撤去を頑なに拒否したからだ。 以来、父の代になっても入り口に板と御札を貼ったまま、 今でもうちの裏庭にその井戸は鎮座している。 173 名前: 2/2 [sage] 投稿日: 2006/07/30(日) 11:03:49 ID:bEbC0g0PO 俺は好奇心から幼い頃一度だけ、板を無理矢理はがし侵入したことがある。 床は土間になっていて、中央に井戸があり左右に木で作られた棚があった。 棚の上には黒ずんだサンダルのような物と錆びきったいくつかの金ダライ。 言いしれない腐臭と淀んだ空気で満ちていて、 井戸の中には謎のコケがびっしり生えていた。 水は黒く濁って底が知れず、今にも大叔母が出てきそうだった。 腐臭の正体は今思えば木棚が朽ちたのと、カビや水が腐ったせいだろうけど、 当時の俺にはまさしく大叔母の死臭に思えて、恐怖で10分もいられなかった。 霊体験はなかったけど、井戸の穴の共鳴か、 おおおおーという風音が響いていたことも 死者の泣き声のようでとても不気味だった。

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