2chの板を擬人化して小説や絵を書こう
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2chの板を擬人化して小説や絵を書こう
ja
2007-06-03T13:23:18+09:00
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短編32
https://w.atwiki.jp/2chgijin/pages/49.html
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああいああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
2007-06-03T13:23:18+09:00
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4-1
https://w.atwiki.jp/2chgijin/pages/57.html
ここは数多の板が散在する場所、2ch。
ネット上の事とはいえ、人と人の会話である以上イタコザが起こるのは必須。
それはその些細なイタコザを描いた作品である。
―…ああ、もう朝?
そう思いながら、私は目を開ける。
周囲を見てみると、見慣れたベッドに目覚まし時計、着替えの服などが散在している。
実に見慣れた風景よね、そう思いながら私は体を起こす。
「ふぁ~ぁ…」
脳が酸素を欲しているのか、自分の意志とは無関係に欠伸が出る。
ちょっと恥ずかしくなったが、回りには誰も居ないから特に問題ない。
そうどうでも良いことを考えながら、私は地面に立つ。
目を擦りながら、リビングへと向かう。
「おはようございます、ロボットさん」
「おはよう。いつも思うけど、敬語はいらないって…」
姉のロボゲーと会話をする。
ロボゲーは私と比べ物にならないほどしっかりしているし、私より数倍…いや、数十倍は強い。
胸の大きさも又然り。私は視線を自分の胸へ落としながら溜息をつく。
「どうしました?ロボットさん」
「ああ、いや、その…。ロボゲーっておっぱい大きいよね…」
「なっ!?」
ロボゲー驚いたように声を上げる。
いつも思うけど随分とからかいがいがあるよね、この人。
「ねぇ、ちょっと触らせてよ。いいでしょ?」
「あ、ちょっと…ふぁっ」
甘ったるい声を上げる。
私より大きいのに感度も良いのか。だんだん悔しくなってきた。
ええんかここがええんかちくしょう。力を入れて揉みしだく。
「ちょ、まっ…やぁっ、はんっ…あんっ!」
「ああくそええんかここがええんか畜生!」
おっといけない、つい本音を出してしまった。
あっちも本気で感じちゃってるようだし、一旦手を離す。
「はぁっ、はぁ…な、何をするんですか」
声を荒げながら返事をする。心なしか顔が紅潮している。
しかも涙目で上目遣いと来たものだ。誘ってるのか畜生。
しかし私はこの程度で挫けない。けどやっぱり悔しい。
ロボゲーの胸をもう一度揉みしだき、私は外に出た。
「あ~あ、私もあんな大きくなりたいなー」
と、とても人には聞かれたくないような独り言を歩きながら言う。
どうせこの道は私と軍事のおっさん以外ほとんど通らない道だ。聞かれることはないだろう。
そうどうでも良いことを考えながら、ボケーッと歩いていく。
―その時だった。
「!?」
「キサマヲ ツカマエロ ト マスターカラノ メイレイダ」
え!?なにこの唐突な展開!?
私は捕まれた腕を振り払おうとグーで叩く。
しかし…まったく動じる気配はない。なんだこいつ本物のロボットかよ。私もだけど。
そんなどうでも良いことを考えている私って結構危機感無いのかな?
そう思っていた時。
「スコシ ネムッテイテ モラウ」
「え?」
何か粉っぽい物が顔の前に降ってきた。
これはやばい…!私は何とか脱出しようと試みるが、時既に遅く。
「いやぁーっ!!」
最後の力を振り絞って、大声を出す。
ってそうだ、この道は軍事のおっさんくらいしか通らないんだ…
甘かったよ…
そう思った矢先、私の意識は沈んでい…って……
「ホカク カンリョウ」
「コレヨリ テッタイスル」
―――
「む?先程の悲鳴は?」
「おなごの悲鳴は良い。まったく性欲をもてあます。そうは思わないか軍事?」
「いい加減にせんか貴様は!あと上官を呼び捨てるな!」
ハリセンを一閃。兵器の頭は軽く地面にめり込む。
さすがは元グリーンベレーの自衛隊隊長、といったところか。
年を取っても力は若者以上だ。
「痛いではないか軍事」
「呼び捨てにするなといっている!」
一方、さっきハリセンで叩かれたのは兵器。
グレネードやミサイルを背負って、銃も所持している。接近戦も難なくこなせる、軍事の名パートナーだ。
しかしどこか抜けている。理由はわからん。
「軍事のおっちゃんおいすー」
「お…VIPか。久しいな。」
「おう、久しぶりだお」
「軍事、こやつは何者だ?」
「儂の旧友のVIPだ。決して敵ではないから攻撃せんようにな」
「了解した」
「ところで、ちょっと教えて欲しいんだが」
「なんだ?」
「ここの計算式がわからないんだお」
「ふむふむ…、ここはこうやってだな…」
「って馬鹿ー!」
「テラビバッチェ!何だお軍事のおっちゃん!心臓が止まったお!」
「どうした軍事」
「先程悲鳴が聞こえてきただろうが!今でも遅くない、調査に行くぞ!」
「誘拐と聞いて黙っていられるVIPPERではないお、行くお!」
「了解した軍事」
―――
「マスター ロボゲー ヲ トラエテ キマシタ」
「おお、よくやった…って馬鹿者が!これはロボットじゃ!
ロボゲーを連れてこいと言っただろうが!」
「…」
「シカシ マスターカラ ツタエラレタ ジョウホウデハ コレガ テキゴウ サレマシタ」
「馬鹿者が!巨乳と貧乳の区別も付かぬのか!」
「最初から儂に任せてくだされば良い物を。
機械になど任せるからこうなるのです」
「ぐっ…それはいいのだ!
ロボゲーも妹が攫われては黙ってはおるまい…。
お前には来るべき時に活躍して貰う」
「しかし、一体ハングル殿は何が目的なのです?
世界が欲しいのならば我々だけで十分というのに…」
「わしの夢はそんなちっぽけな事ではない!
ロボゲーのあの放漫な胸を揉みしだくのがわしの夢だ!」
「わかったら口出しするな日本史!」
「…」
―――
「ロボットー、どこへ行ったのですかー?」
おかしい…、ロボットはいつも昼飯までには帰ってくるのに。
姉のロボゲーはそう思いながら、足を速めた。
妹を心配しながら、しばらく走り続けた所…
「なっ!?」
「のうわっ!」
VIPと出くわした。というかぶつかった。
その衝撃でVIPはロボゲーに馬乗りする状態になった。
「あ、あの…」
「こ、これはかなりの美人だお…!おっぱい!おっぱい!」
ロボゲーは身の危険を感じた。
しかし、後ろから飛んで来た声がロボゲーを安心させることになる。
「何をしておるかVIP!」
ハリセンを軍事が投げる。まるでスマブラを彷彿とさせるような放射角を描いて飛ぶそれは、VIPへと向かい…
「オフッ!」
バシ、という心地良い音を上げて当たった。
VIPが吹っ飛ぶ。そのまま川に落ちた。
ストックが-1される。VIPは上から白い床に乗って降りてきた。
「何するお!このフラグ台無しにされたら困るお!」
「フラグも何もあるか!儂らは悲鳴のある方向へ向かっておるのだぞ!」
「う~む、性欲をもてあます」
「お前はもう良い!帰れ!」
軍事が怒っている。
この人胃が凄く痛くなりそうだ、とロボゲーは思う。
しかし今はそれどころではない。悲鳴が聞こえたと言っていたが、それはもしかしたらロボットの物なのではないだろうか。
だとしたら危険だ。ロボゲーは声を上げる。
「悲鳴が聞こえてきたって、どこからですか!?」
「おぅ、あ、それはあっちじゃ。儂らも今そこへ向かおうとしていたのじゃが…」
「私が乗せていきます!背中に乗ってください!」
「こんな美人に乗る…ハァハァ」
「性欲をもてあます」
「貴様らは走れ!走りたくなければ黙っていろ!」
この二人も走るのは嫌なのか、今回は大人しく指示に従う。
一体なんなのやら。
「…乗りましたか?では、きちんと掴まっていてくださいね」
「ああ、わかっている。」
声が帰ってくる。ロボゲーはブースターを吹かした。
「全速力で…行きます!」
―――
…一瞬だった。
実質1秒かかるかかからないかくらいの時間で、その場所に着いた。
「…さすがはロボゲー殿、恐ろしき加速…」
「いいえ、そんなことはどうでも良いんです。
悲鳴はどの方向から聞こえましたか?」
「ああ。あれはここから…西に向かってか。」
西と言えば、悪者連合研究所がある所。
妙に胸騒ぎがする。早く行かなければ。
ロボゲーはそう思いつつ、声を掛ける。
「もう一度加速します!しっかり掴まっててください!」
「了解ッ!」
―――
「…ここね。」
「しっかし…いつ来ても面妖な場所だな」
「ああ、そうだな軍事」
「はひぇ~、加速しすぎだお…」
一人は加速時のGで伸びてしまっている。が、他の三人はほぼ気にしていない。さすがはエキスパート。
「では、扉を破ります。皆下がってください」
「了解した。皆下がれ!」
「了解」
「ふひ…下がるのかお…?」
「全員下がりましたね、では…。行きます!」
先ずはロボゲーが腕を構える。
その刹那、ロボゲーは口から言葉とならない音を出す。
その口から出される音は次第にプログラムを作り上げては、腕に吸収される。
その時間約3秒間。ロボゲーが音を発するのが止まった時―
―光は、放たれる。
その光は闇を全て切り裂き、白日の下に晒す。
ロボゲーは反動を上手く吸収している。それにより、反動の衝撃は胸が少し揺れる程度まで減らされていた。
…いくら扉が鉄製とはいえ、桁違いの質量と熱量を受けては無事ではない。
ロボゲーが放った光を中心に、大きな穴が空いていた。
「ふぅ…」
「さすが、腕は鈍って折らぬようじゃのう」
「乳揺れ…性欲をもてあます」
「( ゚д゚ )」
各々が思い思いに言葉を放つ。
そして、4人は動き出す。
「では、行きます」
「フッフフ、腕が鳴るわい」
「油断は禁物だ」
「こ、怖いお…」
―――
―扉の中に入った刹那、声が聞こえた。
「我らはこの扉を守る番人、残念だがお帰り願うことになる」
「シンニュウシャ ハイジョスル」
「ならせめて、ロボットは返して頂きたいです」
「誘拐を許すわけには行かぬな」
「残念だが、それは出来ぬ。主の命は絶対故」
「ムリダ」
「ならば、実力行使を!」
「おう!行くぞ兵器!」
「了解した大佐!」
「馬鹿目が…」
「テキ ハイジョスル」
…
まず攻撃を仕掛けたのはロボゲー。
左手から伸ばしたビームソードで横薙ぎに二人を斬りつける。
…しかし、そう簡単に当たりはしない。ジャンプして回避された。
「甘い!」
次に攻撃を仕掛けたのは日本史。
三尺を悠に超える長刀を持ち、ロボゲーへと飛びかかる。
「ぬぅんっ!」
そして一閃、もの凄い質量を伴って振り下ろす。
「…させるかッ!」
兵器が二人の中に割り込む。
銃のグリップの部分で、刃を受ける。
そして、懐から大型銃を持ち出し、撃つ。
「ガォォンッ、バギューンッ、ドギャンッ!」
乾いた音を出して銃弾は放たれる。しかし、その程度で動じる日本史ではなかった。
キィン…と、ガラスを思い切り叩いた時のような音が響く。
それが3回鳴り…、銃弾は、地に落ちた。
「…この儂を倒したいならば、核でも持ってくるが良い!」
「…チッ!」
「どけい兵器!儂が攻撃を掛ける!」
「了解した軍事!」
兵器が体を反らすと同時に、軍事の持つ軍刀の切っ先が日本史の腹を捕らえる。
だが、日本史は体を捻って避ける。
「ちっ!鉄砲玉か!」
「フフ…儂を只のおっさんだと思うな!」
どこからか取り出したサバイバルナイフを左手、軍刀を右手と持つ。
それを見て、日本史は一歩下がる。
それと同時に、軍事は構えを取る。
緊迫した空気が流れ―
「りゃあっ!」
―先に仕掛けたのは、日本史だった。
長刀の居合で、軍事を薙ぎ払う。
「ぬぅっ!」
しかしそれに動じる軍事ではなく、難なくナイフで防御する。
「セッ!」
軍事は右手の軍刀で突きをするが、鞘で防がれる。
日本史は素早く刀を戻し、体を捻りつつ軍事の背後に回った後、上から刀を振り下ろす。
「ちっ!」
軍事はそれをナイフをかざして防御する。
そして体を捻り体制を整えた後、防御の構えをする。
「やりおるな!ならばこれではどうだ!」
日本史は刀を左手に持ち変え、刀で突く。
「何をッ!」
軍事はそれを軍刀の刀腹で防御し、ナイフと交差させて日本史の刀を挟み込み、上から地面に挟み付ける。
「甘い!」
日本史は素早く刀を引き右手に持ち替え、上から振り下ろす。
「当たるかッ!」
軍事は咄嗟に体を捻り回避し、蹴りで足払いをする。
「だが…甘すぎるわっ!」
しかし日本史は地面に差した刀を支点にジャンプしながら回し蹴りを放つ。
「グゥッ!」
それに当たった軍事は、かなりの距離を飛び、壁に叩きつけられた。
「これでトドメよ!」
日本史は脇から脇差しを一本取りだし、投げつける。
「ぐはっ!」
それは軍事の足に刺さった。
全体の傷から見れば大した物ではないとはいえ、これ以上戦闘を続けるのは危険だろう。
そう判断した軍事は、命令を下す。
「兵器よ、儂では駄目だったようだ…。貴様の出番よ、行け」
「了解」
兵器は冷たい声で言い放つ。
「…若造、貴様に儂の相手が務まるとは思わんな」
「そういったセリフは 勝ってから言うんだな!」
「ならば良い…。覚悟を決めよ、若造!」
「ショウタイムだ!」
「…ところで貴様、さっきは「儂を倒したいなら核でも持ってくるが良い」と言ったな?」
「それがどうした」
兵器がおもむろに鞄から何かを取り出す。
全長一メートルほどの細長い円筒だ。
「もしや貴様…」
「…これは核並の破壊力を持つミサイルだ。命が惜しければ敗北を認めよ。さもなくば爆発させる」
「馬鹿目が!このような場所で爆発させれば味方がどうなるのか自明の理!何をする気だ!」
「…ヘッ、残念だったな。ここに瞬間移動の出来るアイテムがある。一回きりだがな。」
「…馬鹿な!」
「なら試してみるまでだ!うおおおお!!」
「ぐっ…近寄るな!」
日本史は刀で兵器を斬りつける。が、その足は止まらない。
「ぬうおおおおおおおっ!!」
「ぐっ!貴様…!」
兵器が日本史に接触する。
―刹那、兵器と日本史の姿が消えた。
それと同時に、遠くで爆発音が聞こえる。
…どちらとも、無事ではいないだろう。
「…馬鹿者が…」
軍事が哀しげな声で言う。
この程度で死ぬとは思っては居ないが、少なくとも無事ではないだろう。
「…」
そのまま、軍事は黙りこくってしまった。
―――
一方、こちらはロボゲーと機械工学の戦い。
双方無言のまま、目にもとまらぬ速さでの戦闘が繰り広げられている
ロボゲーがビームを撃つ。
機械工学は一瞬にして避ける。
機械工学がレーザーを横薙ぎに放つ。
ロボゲーは宙返りして回避する。
それをとうに何十回も繰り返していた。
しかし、その攻防も今、当に終わろうとしていた。
機械工学が一気に距離を詰め、右腕から光を形状化させたものを伸ばし、上から打ち落とす。
ロボゲーは左腕から光を形状化したものを伸ばし、その攻撃を受ける。
鍔迫り合いが数秒続き両方が弾かれた時、亜高速戦闘が始まった。
機械工学は変形して飛行機のような形状となる。
ロボゲーは背中のブースターの出力を上げる。
刹那、二人の姿は無くなる。否、見えなくなる。
聞こえるのは風を切り裂く音と、弾が爆発する音のみ。
人間が視認できるレベルではない。
―
ロボゲーが実剣を抜くと、機械工学は先端の部分に光を纏わせる。
ロボゲーが剣を振り下ろすと、機械工学も先端を上から下ろす。
その衝撃で二人は弾かれ、数Mの距離を下がる。
それを数回繰り返した後、ロボゲーが剣を戻しつつ距離を取る。
そして両手を前にかざし、空手の連続突きの要領で無数の光球を放つ。
しかしそれを難なく避ける機械工学。そして機械工学は一瞬止まり、腹の部分からバルカンを放つ。
それはロボゲーに向かって直進し、命中する…かと思われたが、爆発はしない。
ロボゲーは一瞬のうちにその弾薬の全てを肩からのバルカンによって撃ち落としたのだ。
―刹那、今度はロボゲーが距離を詰めた。
右腕に銃を持ち、それをほぼ零距離で連射する。
しかし機械工学はその時に変形をし、それによって生じた隙間へ全ての弾を滑り込ませる。
直後、機械工学は肩のパーツを前に押し出す。それは一瞬のうちに熱を帯び、武器となる。
それをロボゲーに向け振るが、それは当たらない。
ロボゲーは先程の銃の銃身の部分でそれを受け、防御する。
そして右拳に光を溜め、それを放つ。
不意を突かれた機械工学はそれをもろに受け吹っ飛ぶが、それは本人にとってはさしたるダメージではない。
一瞬にして壁を蹴り、もう一度距離を詰め、零距離でバルカンを放つ。
不意を突いたと思った瞬間に不意を突かれたロボゲーはそれをもろに受ける。
が、バルカン程度ではアンドロイドに傷は付かない。アーマーが僅かに凹む程度だ。
そしてもう一度距離をとり、また攻撃を開始する―
―
この間約1秒。
これが亜高速戦闘のスピードなのだ。
それを見ながら、VIPは一言漏らした。
「ぜ 絶対敵に回したくないお」と。
VIPは周りを見回すと、一つの大きなドアが目に入った。
あれが親玉の部屋かお?と思いつつ取っ手に手を掛ける。
その頃、後ろで爆発音がした。
後ろを振り向く。ロボゲーの勝利に終わったようだが、ロボゲーはエネルギーを使い果たしたのか、へなへなと座り込んでしまった。
今なら襲う絶好のチャンス、と思いつつも最後の理性がVIPを引き留める。
ここでロボットを救い出したなら俺の大手柄、貧乳と巨乳が手に入る!と思いつつ、VIPは気を奮う。
けど、これ以上強い奴がいるのかお?だとしたら遠慮しておきたいお…。
VIPは念のため、中の様子を探ろうとして戸に聞き耳を立てる。
そうしたら、何やら喘ぎ声らしきものが聞こえる。
それに気付いたVIPは、無意識のうちにドアを開けていた。
そしてVIPが見た光景は、想像を絶するものだった…!
―――
「あーそこ、もっと力を入れて」
「は、はいロボット様」
「あっいい、あんた結構上手ね」
「あ、あの、ちょっと休憩を…」
「駄目駄目。ロボゲーに胸揉ませてくれるよう説得してあげないよ?」
「ひいいっ、それだけはー」
「じゃ、もっと力入れなさい」
「はい…」
「…何をしてるんだお?」
「あ、VIP」
「で、出おったな!わし自ら息の根を…」
「マッサージ!」
「ひゃい!」
明らかに尻に敷いている。
なんだったんだよ今までの苦労は。
あー兵器報われねーなー、と思いつつ声を掛ける。
「ロボット、早く帰るお!ロボゲーが心配していたお!」
「あ…そうか…。うん、もう行かなきゃね。ハングルさん、マッサージ気持ちよかったよー」
「は、へぇ…」
「じゃ、行こうか。」
しばらく進む。
と、先程まで戦闘をしていたロボゲーが倒れていた。
「あれお姉ちゃん、エネルギーが尽きちゃってる…。
しょうがないや、私のエネルギー分けてあげないと」
と言うと、おもむろにロボゲーの唇に口付けた。
いきなり何をするお?百合道って奴かお?とVIPが混乱していると、すぐに返事が返ってきた。
「私たちは口からエネルギーを得るタイプだからね、無くなった時はこうするのよ」
「そうなのかお…」
「…あれ?」
「あ、起きた?」
「あ、ええ…」
「じゃ、行こうか」
「はい」
…
またしばらく進むと、軍事のおっさんが包帯を巻かれた状態で倒れていた。
その隣には、兵器が眠っていた。
どうしたんだ兵器、日本史を道連れに爆発したんじゃなかったのか。
ってアレか?瞬間移動できるアイテムが実は一往復分だったとか?
まぁいいか、兵器を起こす。
「おい兵器、起きるお」
「…」
「おい、とっとと起きないと田代砲止まらないお」
「!」
一気に目を覚ます。
やっぱり田代砲の経験がある奴はこの言葉には敏感だな、と思いつつ。
あの後どうなったかを説明する。
「なるほど、つまりはレズか。性欲をもてあます」
「何処を聞いていたんだお!」
軍事のおっさんに変わって突っ込みをする。
「…まぁいいか、これからみんなで家に帰るお」
と、VIPの一声でみんな歩き出した。
兵器は軍事を背負っているが、さして苦しそうでもない。さすがは軍人、か。
…ま、たまにはこんなスパイスの効いた日もあってもいいお。
まぁ、たまにだけれど。
毎日こんな事が続いていちゃ身が持たない、死んでしまうお
…と、VIPはそう思いつつ歩みを進めていった。
ああ、後ろの日差しが温いな、とそう思いながら。
2006-06-10T21:45:37+09:00
1149943537
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2-1
https://w.atwiki.jp/2chgijin/pages/13.html
膝を交えて話し合えば解決に向かう問題も確かにある。だれもがそう思っていたが時機を見計らっていたような感がある。誰からとも無く機は熟したという空気が醸成され、ついに四者会談が実現する運びとなった。
「これはこれは、バカですね。久しぶりです。」
「私こそ。元気ですか。」
喧嘩をしているわけではなく、「バカニュース」「私のニュース」なのでお互いをそう呼び合っていただけだった。彼らは仲が良く、時代の情勢にも関わらず独自の友情と信頼を築き上げてきた。ドアをハッキリとゆっくりと3回ノックする音が議場に響いた。
「失礼するよ、私にバカだね。」
「速さん、ご無沙汰しております!」
ふたりが声を重ねた。ニュース速報はすっかり実権を失い、完全に過去の人物となっていた。しかしかつてのオーソリティとしてのカリスマやリーダーシップはさすがの一言で、新参者の厚い人望を集めるには充分すぎるほどだった。
「そう緊張するな。今日は対等な立場でみんなと話がしたいだけなんだから。」
「いえ、でも、私は・・・」
私は肝心なときになると二の句を継げない悪い癖を持っていた。バカは肝心なときにいつもバカを言ってごまかすのだった。
「藁!」
「おいおい、いくらなんでもそれは古すぎるよ。俺だってそんな笑い方は忘れたw」
「てへっw」
どこにもなかった和やかな空間。つい昨日まで互いに会うことも難しかったことが嘘のようだった。だがもう一人の当事者がこの席にまだ就いていなかった。それからが重要なのだ。それぞれが心から寛ぎながらもどこか緊張していた。突然部屋のドアが開いた。
「今北産業」
「日本語でおk」
ニュー即は脊髄で返答した。場が一気に凍りついた。こうなると私とバカはどうすることもできない。ただ目の前の災難が早く通り過ぎるのを祈るばかりだった。
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全ては自分から始まった。そのことに気負いがないでもないがそれぞれが独自の発展をしていけばいいとも思っている。
しかし自分の影響が衰え始めたころ、目の前にいる新しい2chの王者は独自のデファクト・スタンダードをいくつも生み出した。
そのうちのひとつを今日というこのタイミングで、初っ端からなぜ口に出すというのか。それも何とも思わずに。私もバカもそしてこの俺もそのようなことはしない。
ニュー速は、そこまで瞬時に憤ることのできる自分にハッと気が付き、だからこそなんとしても今回の会談で何がしかの成果をあげるべきだと決意を新たにした。
「ていうのは、釣りですた」
「クマー」
いちいち癪に障る男だ。釣りだって言って打ち消してるのに煽り返すな。なぜお前はそうなんだ。沸々といくらでも浮かび出るフィクサーへのフラストレーションを振り払うかのように、表情一つ変えず次の言葉を選んだ。
「今日集まったのはどういうスレがそれぞれどの板に立てられるべきかという件」
「>>10」
「ぷ!」
ああそうか、安価で決めるってVIPは言いたいのかと理解したバカが噴き出した。私はその状況を判断するのにわずかの間を要したが、悟った後にも表情は強張ったままだった。
ニュー速がその全てを見通す目でバカに鋭い眼光をくれた。バカと私はすぐに双子の如くそっくりになった。
私は知っていた、このようなマイルールを平気で押し付け、それでいてニュース系住人たちの圧倒的な支持を得ていることこそがニュー速にとっての根源的な怒りの源だ。
周りが笑おうが怒ろうがこういう場では自分を見せるべきではない、ただやり過ごすのがもっとも賢い選択肢なのだと。
「とりあえず、言い方はまあいろいろあると思うんですがVIPさんの負荷が高すぎるというか、それが現状ですよね。もっとお互いできることを協力してやっていきたいなと。いかがでしょうか」
「同意」
よし!私は心のなかでガッツポーズした。何事も無かったかのようなスムーズな議事進行だ。ニュー速が頭に血を昇らせているいま、これがベストな対応というものだ。バカも小さく頷いた。
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「資料を用意してきますた。」
バカが取り出したわら半紙には、いくつかのスレのURL、そしてそれらについての説明文が簡潔に記されていた。
http://ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1148095501/
http://ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1148084681/
「ええ、VIPさんのところから適当に抽出したものなのですが、たとえばこれらのスレッド。前者についてはこちらで、後者は私さんが扱うような内容だと思うのですが。」
「またえらい糞スレだな。」
ニュー速が毒づく。彼が時代がかった雰囲気を身に纏う理由のひとつに、やたらと喧嘩を売るという気質があげられる。
VIPを始めとするその他ではそれほど四六時中煽りあいをしているわけではない。口は悪いがみんなで上手くやっている。
すっかり主流となったこの傾向は、かつてコワモテで鳴らしたニュー速にとって逆風以外の何者でもなかったのだ。
「まあ、鯖強いから平気だお。」
「そうだよな!運営と懇ろになってよろしくやってんだもんな!」
現在のニュー速は気軽に糞スレをたてられる環境ではない。財閥解体や米国における反トラスト法に見られるように、強くなりすぎたものはより強いものに弱体化を迫られる。
それゆえの受難だと先代チャンピオンはかつて悠然と構えていた。
ところがどうだろう。VIPに至っては事実上スレッドたて放題。連続投稿も15秒規制とニュー速に対するアドバンテージは実に45秒。勝負は目に見えている。
なるほど、運営側の実況や糞スレ乱立を防ぎたいというねらいは充分理解出来る。それならば、なぜそれならばVIPにも同じ規制が加えられないのか。こんなわかりやすい矛盾を放置しておく背後にあるものは何なのか・・・
ニュー速はいつしか、自身のノブレス・オブリージュを重んじた生き方を後悔するようになった。だがこれは運営側と話をつけるべき問題。ここで話し合うトピックとしては馴染まないし、少しでも口に出せばこの場が混乱してしまうだけだと目に見えていた。
ニュー速という財閥解体騒動に乗じてバカや私が誕生した、そして彼らは殊勝な一面を垣間見せる、かわいい後輩たちだ。結果オーライと思えなくも無い、ものは考えようだ。
「うちでいいお。住人も喜んでるお。住人の意向が一番大事だお?」
自分流を決して崩さないなかにも、デファクトスタンダードとしてのVIPの言動や態度には揺ぎ無い自信がみなぎっており、ルールをつくる側の立場というものを完全に自覚しているように見えた。
一方、ニュー速を師と仰ぐバカの心中には、その敬愛する偉大な先輩に対する複雑なわだかまりが芽生えつつあった。
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ある糞スレがニュー速にたてられたとしよう。わが師匠はきまってぶっきらぼうにこう言い放つのだ。
「VIPでやれ」
バカもはじめのうちこそ笑って聞いていたのだが、何気なく何故自分がここにいるのかということを考えているうちに、ある暗い考えが頭をよぎった。
あらゆる種類のスレッドがひとつになっていたニュー速が分割された。本物のニュースはニュース速報プラスに、自分の話をする人の為には私のニュース、そして糞スレを担当するのはここにいる自分、バカニュースだ。
「バカニュース」
奇しくも去年のクリスマスイブのことだった。珍しく雪が舞っていたがもう色恋に現を抜かす歳でもない。
自分のやるべきこと、できることは何かということを考え抜き、明日のためにどう動くべきか、明確な指針を模索することにしか興味は無かった。
バカである。ここまではっきりと刻印されている板は他にあまり見当たらない。自分が何をすべきなのかは自問自答を経るまでもなく最初から明らかだったのだ!
また、ニュー速に糞スレがたった。隣の頑固者がいつもそうであるように繰り返した。
「VIPでやれ」
思い切って尋ねてみることにした。
「あの、バカニュースでやれって言わないのは、なんか理由でもあるんですか?」
「理由?見てのとおりこれは糞スレだ。糞スレはVIPでやれと言ってる。それだけだ。変なこと聞くなよw」
違う、違うんだ。彼の目には糞スレは糞スレとしか映っていない。それこそがレゾンデートルであることへの深いため息。
こんなことは間違っても目を見開いて必死の形相で説き伏せるような話ではない。対象となっているのは糞スレなのだ。
ただ、察してほしい、一回でいいから自身の言葉として「バカニュースでやれ」と言ってほしい。その時はじめて、自分が認められたという強い実感を得ることができるであろうことをしっかりと確信していた。
バカと銘打つも糞スレを任せてもらえない。こんなのは客の付かない売春婦と同じだ。どんなに忌み嫌われるような役割であろうと、それが本分ならせめてそこで輝きたい。
こんなことならいっそ真面目に、スカした顔して生きてみたい。なにもバカを気に入ってバカやってるわけじゃない・・・
ここまで考えてはっと我に還り弱音を振り切った。もうそんな世迷いごとを言ってられるほど若くない。
みんな多かれ少なかれ不満や矛盾を抱えて生きている。少し疲れてきたけどやっぱり頑張るしかないのだと。
彼の性根としてバカというタイプではなかったのかもしれない。おそらくは社会という巨大な装置に適合していくうち、バカという型が彼に嵌められたというだけなのであろう。
そこにいる全員に対し、落ち着き払った表情で静かに伝えた。
「糞スレはウチで見ることもできますよ。住人に選んでもらうことになりますが、ここは住みやすいって意見もよく聞くようになりました。余裕がないでもない。」
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ニュー速はちらと見やり、発言内容とその凛とした表情に違和感を覚えた。なぜバカは甘んじて下働きを買って出るようなマネをするのだろうか。
政治的判断ゆえか?なるほど、VIPの傘下に入り、「バカVIP」とでも銘打つほうが需要が高まるかもしれない。
バカの俺に対する敬愛の情は本物だ。沢山の人間を見てきたのですぐに見分けがつく。その上で板を動かす者としての責任が彼を駆り立てるのだとしても、それには何ら不思議は無い。俺がコイツだとしても、同じことを言うのかもしれん・・・
そう、決定的に頭が固かった。糞スレとバカニュースの位置付け、糞スレを扱う際の自身の眼差し、VIPとニュー速の確執、こういったものを客観視する術をニュー速は持っていなかったのだった。
VIPの糞スレをバカニュースが処理する。それは下働きであり、政治的判断である。政治と師弟の友情は別物であり、どちらも本物である。ニュー速にはそのようにしか物事をみることができないのだ。
「それでは、VIPさんのほうで糞スレに適宜バカニュースへの誘導をかけていただく。ただし原則的には住人の判断に委ねるということでFA?」
「把握した。」
いまここに、会談の成果が生まれた。小さな事案であるが、ニュー速にとってはとてつもなく大きな意味を持つことのように思われた。こういう流れをもっとつくりだすべきだ。
バカは満足げに少し微笑み、そしてさりげなく我が師の顔色を窺った。VIPに自分への誘導を頼んだ、そのことに反応するセンサーが働いているか否かを読み取るためだ。
ニュー速は、いつものように考え事をしているようで、何も気づいてはなかった。別に期待していたわけでもなく、またこういう人だからこそ今日まで上手くやってこれたのかと思う面もあった。
同じようにとりあえず安堵の表情を浮かべる私が、絶妙の間をもって粛々と発言した。
「次に、モナーの処遇の件」
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「モナー?ああ、ウチの看板キャラだ。何もここで話すことはないぞ。」
ニュー速はやや憮然とした表情で早口に答えた。
「ええ。VIPさんからの発議で・・・」
クレームを受けた営業マンのように恐縮し、私は、なんとか自分の発言を無事に終わらせられるようにと祈った。
「ほう。使用に規制をかけている訳でもなし、何が問題なんだ。」
「・・・少し失礼するよ。構わないか?」
「いいお」
軽く目礼した後、手慣れた様子でショートホープを取り出す。オイルライターが軽快な音を響かせ、忽ちウルトラQのような紋様がフラクタルにたゆたう。
私は教えられるまでは気づかないほど薄い紫の粒子が等間隔に小さな穿孔を持つ白い天井に向かってけだるそうにそぞろ歩きをしているのをなんとなく見つめながら、一抹の安堵とともにこれまでの来し方を振り返っていた。
女を忘れたわけではない。仕事が面白かった。負ければ悔しかったし、際限なき日常のなかで少しずつ自分が変わり、それを受けて周りからの扱われ方が変わっていくことに人生の意義とも呼べるほどの充実感を持っていた。
容姿を誉められたことも一度や二度ではない。悪い気はしないがいつも隣に誰かを置いておくという生活が自分のものではなかった。
ずっと一人だったが寂しく思ったことは一度も無い。その暇がなかったという表現も適切ではあるが、板のみんなのために自分のリソースを使い切るほうが楽しく、ごく自然に恋を忘れていたと纏めるほうがしっくりきた。
ただ何故か、タバコの煙に関心が向いたときは恋愛がどうのという思考が働くのであった。
その原因をじっくり探る人生もあるいはあるのかもしれない。しかしそれは他の誰かの生き方だという揺ぎ無い実感があった。
不思議な実感ではあるが、この役目を引き受けるには都合のいい実感。バカが同じ実感を有していることはひと目でわかった。それ以来、学生時代にもなかったほど気の置けない友情を育てている。
幸せだ。仕事をしたい、少し静かになった議場に次のきっかけを投げた。
「モナーは全板で共有されている人気者です。その認識は一致しています。VIPさんの問題意識は、あまりVIP内でモナーが使われていないってことなんです。」
「ほう、モナーをよこせと?」
バカは呆れたような、この人らしいなと思ったような微笑を浮かべ、私のほうに一瞥をくれた。
私は頷くかのように眼球を一瞬下に向け、ゆっくりと説得するような口調で続けた。
「そういうことではなく、より人気を不動のものとするため、今一番影響力を持つVIP内での普及を図ったほうがいいという提言だと思うんですが。」
「そうだお」
「モナーはウチの看板だ!」
ニュー速が議場のテーブルを迷い無く叩く。喧嘩慣れしているので知らずのうちに衝撃をもっとも効率よく伝えており、会場の隅に積んである椅子を刹那に共鳴させた。
バカと私の精神も、ほぼ同じタイミングで震えに見舞われた。
妻はいつも静かに笑っていた。いつも幸せそうだった。わずか半年ではあったが俺の妻は唯一絶対な存在であった。
半年で別れたがゆえの感傷ではない。あの後何年何十年と共に過ごし、当たり前の日常となろうが飽きようが、あるいは俺がこの先浮気しようが、俺の妻はアイツでしかない。
モナーは妻を思い出させた。確かに糞スレでは殴られて彼方へ飛んでいってしまう。それでも笑ったまま消えていく。あの時と同じだ。
だからこそ独り占めするようなことはなかった。俺を変えてくれたように、他の板でもその笑顔をわけてやって欲しい。
実際、ニュー速内に使用を限定させることもある時期容易いことだったけれども、アイツがどういう意見を言うか、他ならぬ自身に問いかけ、それに従った。
譲れない。エネルギーを伝えきる拳はさらに力み衝撃の伝導率を下げたが、そもそも殴りあいをするためのものでもないので結果的にはどちらでも良かった。
VIPの思惑は別のところにあった。
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そのイメージとはそぐわない感もあるが、VIPは今やサブカルチャーを中心とした一大コンテンツ生産地である。
絵画、音楽、フラッシュ、小説など、様々な作品が毎日のようにそこかしこから誕生している。この力をもってしてモナーを全面的にバックアップすれば、きっと面白いことになる。
VIPにとっては、楽しければなんだって構わないのだった。糞スレをバカニュースに分けてやったのだって、板を横断した糞スレがどのように展開されるのか想像し、やもたてもたまらなくなって咄嗟に同意してみただけだった。
モナーの知名度は圧倒的ではあるが、個性としては若干弱く、VIPではどちらかと言えばあえて使う必要も無いと判断されるポジションに置かれていた。
その独創性と企画力、板が持っている圧倒的な勢いをもってすれば、モナーをかつて以上の人気者に再び押し上げられるであろうことは自明と言えた。
ニュー速が怒声と囁き声を混ぜたトーンで続ける。
「お前んとこにはよ、あのホライズン某とかってのがいるだろうがよ。何が不服なんだよ?」
バカがまた噴きだした。睨まれることなど承知していたものの、次には誰憚り無く潔く笑い出した。
なぜ内藤某ではなく難しいほうを覚えてるのか、しかも前後さかさまなのはなぜかという点が、彼の笑いの琴線をダイレクトに奏でてしまったのだった。
テンションを下げたニュー速はフィルターと同じくらいの長さになったホープを揉み消すと、きまり悪そうにバカから視線を外した。モナーを亡き妻と重ねてみていることは、3人には全く預かり知らぬことであって、それがこの後説明されることもなさそうだった。
「長引くな・・・」
私は強い覚悟をもって今日の会談に挑んでいるとはいうものの、このような下らない話で足止めを食うとは思っていなかったので、いささかつまらない気分になった。
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四者の意識が拡散した。十数年前のこと、あらゆるスポーツがからっきし駄目だったニー速にも、半年に一度行われる大縄跳びではチームを牽引する機会が与えられた。そこで待つべきか入るべきかの判断を誤ったことは一度も無かったのだ。
ニー速が動き出した。次の王者を見初め、自分にできることでもって夢を託そうと思い込んでVIPの公設第一秘書となった。初日から調整役としての過不足ない仕事をみせた。王者は全幅の信頼を寄せ、ものの数ヶ月で内輪では二人三脚と評されるほどの相乗効果を見せつけた。
まるで空気のようなニー速の耳打ちをVIPが受ける。一瞬別のことを考えたか否か、政治的判断により参加者にその結論を委ねた。
「シベリアと電話がつながってるお」
「ああ?」
人によっては泣き出してしまうのかもしれない。ニュー速だから、さらなる怒りの表情というかたちでその通知を受けただけなのだ。
シベリア・・・忘れもしない、できることなら木っ端微塵に忘れたい。運営による権力のいかずちを全身に浴びた頃、それは遠くに咲いた仇花だった。
いわばニュー速凋落のマイルストーンとも呼べる存在である。それに向ける眼差しはバカや私に向けるそれとは明らかに異なる、日陰の存在としての、容赦なき自分自身に否応無く対峙させるスケープゴートである。
「VIPに用事があるなら終わった後で勝手に話せばいいじゃねかよ。」
「ちょっと待ってくれお。・・・おちけつ。」
ニュー速とてプライベートな空間がこの場に侵食するわけなどないことは重々承知していた。ただ正気を保つのが難しくなっていただけである。
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私は憮然とした表情を隠し切れずにいた。強情な性格が嫌いなわけではない、寧ろ自分には合っているタイプなのかもしれない。しかし時折みせるこのオッサンの頑固さにそろそろ辟易しているのも確かであった。
「電話会談に決まってるじゃないですか。何言ってるんですか。」
「・・・ああ、わかったよ。繋げ。・・・私としては繋いでもらっても構いませんよ。」
ニュー速が政治家の顔に戻った。他のメンバーにとってはこのような席で自分の本性をさらけ出すということはそもそもありえないことだったので、そのわずか数分間が妙に長いものに感じられた。ニュー速にアゲンストの風が吹いている。
地方都市の映画館と同じくらいはゆうにある大きさのアクリル製スクリーンにシベリアの姿が映し出される。
800万画素相当の映像は不必要なまでに鮮明で、ひょっとすると直接会って話をするよりも多くの情報を伝えてしまうかもしれない。対面することが特別な意味を持たない一般企業の会議などでは、最早この方式によることが日常となっていた。
「ニュー速さん。お会いできて嬉しいです。あの時以来ですね。」
「ご無沙汰してます。別に今も会ってるってわけじゃないですけどね。」
外見のさばさばした感じとはミスマッチなまでに、ニュー速が皮肉を言うさまには何一つ違和感がなかった。それ以上ないほどしっくり来ていた。
シベリアの眉が数ミリほど動いた。
「バカさん、はじめまして。シベリアです。」
「本日はこうしてお話させていただくことができ、光栄です。」
「先般、お送りした観光案内はご覧いただけましたか?」
「もちろん拝見してますよ。ウチもあやかりたいものですな。本当に美しい。」
シベリアの観光案内は丁寧によく纏められた文章と精密なAAで構成されており、ひととおり芸術の心得があるバカの精神世界をすっかり魅了していた。しかしそれは政治とは全く別次元で処理される領域。シベリアは、弱かった。
「私さん。シベリアです、はじめまして。」
「お噂はかねがね。お目にかかれて光栄です。」
私がわずかに鼻を鳴らした。周りはどこも苦境でしかなく、苦渋に満ちた生涯を過ごしてきたシベリアにとって、初対面の私が見せるともなく見せたちょっとしたリアクションでもってその人間性を判断することは造作もないことだった。
事実、常にトップスピードで走りつづけてきた私が弱者に向ける眼差しは、本人が意識する間もなく無駄なやり取りを省略したいという焦りと苛立ちに満ちていた。
私、バカそしてニュー速。この3人は自分自身の嫌な部分から徹底的なまでに目を逸らすという奇妙な共通点があった。このあたりに関してはお互い誰も気づけないので、今日までずっと変わることなく生きてきたのである。
「VIPさん!こないだはどうもwりんご届きました。」
「感想wktk」
「こんなに美味しいものが余り売れてないなんて不思議ですよね。また送ってくださいね。」
「ちょwwwまwwwwwww」
シベリアとVIPは見るからに打ち解けていた。地理的に近いことがきっかけではあるが、なにより相手のキャラクターが双方にとって邪魔にならないものだということが大きく作用しているようであった。
政治的文脈においても今という機会を逃せばさらに拗れるばかりである。シベリアの言う事はいつももっともで、理知的で、冷静で、思いやりに満ちており、そしてその生真面目さゆえに全く空気が読めていなかった。ありていに言えばそれゆえにいじめにあっているような感さえあった。
VIPを通してモナーをニュース系結束のシンボルと位置付けたいとの構想を表舞台に引っ張り出したのだ。ここまでは上手くいった。これからのやりとりで全てが決まる。
「もともとはみんなひとつだったんです。互いに何が引っ掛かってるのかということが分析できればそもそも争う必要がない。」
ニュー速が二本目に手を伸ばした。
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「ご高説賜りまして、納得至極ですがそのようなことをおっしゃるために今日ここにおいでになったんですか?」
私が何かを読み上げるような口調で早口に告げだ。他のメンバーは訝っている、シベリアに対してである。
「少し話が飛躍してしまいました。単刀直入に申し上げますと、ついてはモナーを友好のシンボルに、という提言なのですが・・・」
モナーはニュートラルな存在である。圧倒的な知名度があり、そして最近少し飽きられつつある。ニュース系の各板を結ぶ象徴としてはパンダ並に適役であるようにシベリアは考えていた。
VIPに普及させることでコンテンツ作成の仕事が自分のところにも必ず回ってくる。その時はこの高度な技術力でもって全板にアピールするチャンスとなり、人口不足を解消させるためのブレークスルーとして威力を発揮するであろうとシベリアは読んでいた。
どこまでも運の悪い人間である。もっとも話をスムーズに通すべき相手であるニュー速に、モナーに対する個人的な思い入れがあるなんて。
それさえなければ、非の打ちどころがない完全な「計画経済」だった。
「みんなで遊ぶお。楽しいお。」
「ちっ!」
ニュー速は聞こえるように舌打ちした。嫌過ぎる、群集でやってきて、日本語になっていないわけのわからない記号ばかりで、しかもみんながみんな一糸乱れず同じことを言い出す・・・
モナーの人気を上昇させる手段としては確かに有効だ、頭で考えればわかる。だがそれにはあのような奇怪な連中が持つ異様な文化の洗礼が欠かせない。
「いやだ。」
思わず声に出して呟いてしまう。完全に無意識だった。
「い、いやだからっていささか唐突ではないでしょうか。すでに完成したキャラクターをデフォルメして失敗してしまうというパターンも枚挙に暇が無い。」
「あらいぐま・・・ですか・・・」
とっさに言い訳した割には上手く誤魔化せたものだとニュー速は自画自賛した。シベリアがそれを受けてわけのわからないことを言い出したが、とりあえずは何でもよかった。
理由はよくわからないけれどもニュー速が強い難色を示している。5年も前にやめた煙草なのに隣でプカプカやられると未だにうらやましい。バカが少しフォローを入れた。
「なにもプラス系と一緒にやろうってわけでもない。」
議場が、どっと沸いた。
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それもそのはず、ニュース速報+をはじめとするプラス系の板とこれら無印のニュース系の板はずいぶん前から苛烈な交戦状態となっている。
事実上運営サイドが経営しているプラス系は、スレッドの種類や内容が管理・統制されているので無印ニュースとは違ったかたちで独自の発展を遂げていた。
何の後ろ盾も持たない板の代表たちが今日この場に集まっている。うまくやっていければ利害の対立があまり生じないという関係であり、それにもかかわらず火種がくすぶっていて、それを何とかしなければならないというのがシベリアを含めた共通の思いであった。
もっともVIPだけはニュー速の指摘どおり運営と友好的な関係を築いており、その成果としての目覚しい急成長ぶりは、他の板が疑心暗鬼にかられるのも無理からぬ構図を描いていた。
形式だけの同盟から内容のあるそれへとの脱却をはかること、それこそが会談に設定されたゴールである。基本的な合意がなされれば、あとは実務者レベルでの協議によって環境を整備していくほうが現実的である。
それにはまだまだ数多くのハードルを乗り越えなければならない。儀礼的なものでしかない友好のシンボルについての議論でこれだけ紛糾するということは、以降の話し合いが全くできる状況でないということを意味していた。
シベリアには自信があった。滅んで当然と表現しても何ら誇張はないほどの劣悪な環境に置かれたにも関わらず、少しずつ人の住める街をつくってきた。少し問題が大きなものだというだけで、今回くらいの難局は当然のように乗り越えられる。
でもシベリアは相手にされていなかった。シベリアは、弱かった。
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午前中から閉め切っていてるので部屋の中は白く霞んでいる。家具調のクーラーは容赦なく全力で稼動し続け、窓の外に高く聳えさりげなく光る入道雲はマッターホルンすら彷彿させ、あたりは変な清清しさに満ちていた。
テレビでは丸坊主にした同い年のお兄さんたちが本気を出している。なんでも決勝らしい。必死になるのも無理はないなと思いつつ少しだけ羨ましい自分をさっさと認め、その上でこのけだるい空間も今しか得られないないものだとわかっていたので、才能どころか努力さえ必要としない日常を静かにエンジョイしていた。
「タバコくれや。」
「なんやねん、自分で買えって。」
「今度返すわ。切らしてん。」
「ほら。ライター持ってる。」
「あるよ、マイ・ライター。何これ、キャメルやん。ラキストやめたん?」
「こっちのほうがうまい。」
「ぎーちゃんは飽きっぽいな。タバコころころ変える奴はすぐ浮気するんやって。」
「そうそう一度釣った魚にってやかましいわ。ここはどこのキャバクラやねん。」
「・・・」
「話変わるけどな、そっくんって新聞読んでん?」
「ああ、小論文もあるしな、大体読んでんで。」
「自分も進学するもんな。」
「まあ面白いもんやないけどな。」
「それでな、新聞に市民団体とかすぐ出てくるやん。」
「ああ、市民団体な。なんや知らんけどよう出てきてんな。」
「現実、身近にいてる?」
「うーん、オレはおらん。お前知ってん?」
「オレも知り合いにはおらんわ。ていうかあんなんどこにも見たことないわ。」
「新聞の中だけやんなあ、原則的に。」
「ほんまやなあ、新聞に出てきたらなんか急に自然に見える。あんなん隣の奴がやってたら嫌過ぎるけどな。」
「マスコミあたりやったらありえるな。」
「ちょ、キショイ名前出すなや。まあアイツやったらメチャ自然やけどな。」
「・・・」
「なんか違和感あるねん、新聞って。」
「何で?」
「市民団体もそうやけど、同じことばっかり書いてるやん。」
「まあなあ、でもそんなもんちゃうん。」
「オレもこないだまでそう思っててん。でもある日閃いたのさ。」
「なんで東京弁やねん。」
「それはつっこむな。新聞やのに変な情報ばっかり流してて、そういうもんやって思わす陰謀なんちゃうかと。」
「ありえへん。」
「じゃあ何でしょうもない事件でも報道されまくったり、結構大惨事やのにどこにも出て来やんかったりするねんな。」
「アウトローが事故ったときのこと言うてん?」
「あいつ死んだときもそうやん。載っててもおかしないやん。」
「内臓マジで出てたって言うしな。」
「こんなん小論文に書いたら絶対減点なんやろな。」
「採点者をちょっとワクワクさせるだけで結局減点ってパターンやな。」
「・・・」
「ほんでな、思ってん。これはニュースちゃうんちゃうんって。」
「ちゃうちゃうちゃうん?」
「ちゃうって。それでやな。例えば電車のなかで乗り合わせた全員がニュースを持ち寄ったらどうなるかって考えたわけよ。」
「斬新やな。」
「そやろ。それでそっちの方が普通にニュースやん。ちゃうか?」
「それはちゃわんな。」
「なんかそういう仕組みが出来るような予感がする。」
「言われてみたら結構ありうるな。」
「まあ誰がつくんねんそんなもんって話になってくんねんけどな。」
「それも結構言えてるな。」
「で、そのニュースをオカズにみんなで・・・」
「議論しまくるんやな!」
「かたっ、自分変なとこカタいもんな。まあオレはみんなで本音トークって言いたかってんけどな。」
「いやあ、そこは議論やろう。」
「それもそやけどな、本音トークやったら動物殺す奴とかなんかありえへんこと言い出すかも知らんやん。それが目的なわけよ。」
「たしかに、議論とか言うたらそういう人間は出てこやんわな。」
「おもろいと思うわ。そんなんあったらこいつら並に熱くなれるやろな。」
「5対ゼロか。決勝やのによわっ!本気でやってんのになんでこんなに差つくんやろな。たぶんダイヤモンドには魔物が棲んでるんやろな。」
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意気投合しながらもとことん噛み合わないという印象が強かった。旧い友、ニュース議論はあまり成績が良くないのに政治、経済、国際情勢など硬い話が好きで、オールラウンドなニュー速ともしばしば盛り上がっていた。
もっとも、アプローチが異なっていただけで志を同じくしていたことは間違いない。社会と報道のあり方、ありふれた暮らしをする人たちのありふれた意見が反映されず、「何か」の都合でもって好き勝手な言説が不自然に大きくクローズアップされることからくる閉塞感に心の底から嫌気がさしていて、今すぐにでもその状況を変えたいと思っていた。
偏りのない意見などない。ただ理屈抜きに多くの声が集まる場がどこかにあるべきだ。かたや一応参加するからには真面目に語るべきだと信じ、かたやとにかくそれすら必要なくただ思ったことを言っていけばいいという認識の違いからくる齟齬だったのであろう。
その持ち前の性格でしっかり勉強して地元では名の知れた中堅私大に進んだものと、ツボを押さえ目を見張る集中力でもってものの3ヶ月ほどの対策で全国区の私大に進学したものとの決定的な違いというわけでもないだろうが、なんとなく疎遠になってしまって今に至っている。
街中でばたっと出会えば楽しく語り合えるのだろうが、わざわざそうしたいというほどではない、そんな関係。
なぜ昔のことを思い出しているのか、VIPだ。ニュー速は自問自答している。報道とその受け手とのあり方を俺は確かに一変させた。自分だけで時代が動くものではないとわかってはいても、自分が時代を動かしたのは間違いないという実感があった。
今ここに、かつての俺と同じ立場のガキがいる。挑戦者としての王者、そう見えるほどニュー速の内面的な自信は揺ぎ無いものではあった。
日本語の崩壊。それは俺がかつて企て、成功させた「本物の声」を集めるという文脈ではない。もはや言葉ですらない記号と、みんなが同じように振舞うことで蠢く巨大なモンスターである。
VIPは新しい。しかしその様態は決して新しいものではなく、むしろ伝統的であるとすらいえる。この国には本当に苦しくなると団結して攻撃的になるというよりも、ええじゃないか騒動のようなナンセンスに走るという奇妙な文化があるからだ。
議題がモナーでなければもっとあっさりと首を縦に振っていたかもしれない。少し考える時間があったせいで、なぜ自分にはVIPがここまで疎ましく見えるのかということに対する洞察を得てしまった。
モナーの処遇についてどう返事するかで、今後のVIPとの付き合い方が変わる。
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2006-06-09T22:04:29+09:00
1149858269
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キャラ1
https://w.atwiki.jp/2chgijin/pages/60.html
★ VIP (ID:g+ufGeuVO氏)
#ref(26096.jpg)
★ ラウンジ (ID:/7WaUb++0氏)
#ref(chara001.jpeg)
★ お花畑ちゃん (ID:hqVDvFPNO氏)
#ref(26160.jpg)
★ ● (ID:/7WaUb++0氏)
#ref(chara002.jpeg)
★ クラウン (ID:/7WaUb++0氏)
#ref(chara003.jpeg)
★ ソフトドリンク (ID:/7WaUb++0氏)
#ref(chara004.jpeg)
★ オカルト (ID:/7WaUb++0氏)
#ref(chara005.jpeg)
★ 昔先生 (ID:/7WaUb++0氏)
#ref(chara006.jpeg)
★ 歯科医師看護先生 (ID:/7WaUb++0氏)
#ref(chara007.jpeg)
★ 喪男 (ID:/7WaUb++0氏)
#ref(chara008.jpeg)
2006-06-03T00:39:30+09:00
1149262770
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短編2
https://w.atwiki.jp/2chgijin/pages/19.html
二人は沈黙を守り続ける
二人の間に言葉はいらない
そんな二人に誰も近寄ろうとはしない
さすがのVIPも二人に話しかけようとはせずにシベリアと遊んでいるようだ
「・・・なんか喋れよ」
ヒッキーが最初に口を開く
「死ねよ童貞」
●の呟いた言葉がヒッキーの胸に突き刺さり、ヒッキーは涙を流しながらこう言った
「・・・死のう」
2006-06-01T21:11:33+09:00
1149163893
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短編1
https://w.atwiki.jp/2chgijin/pages/18.html
ラウンジにクッキーを食べさせた次の日、ラウンジの目の手術の日だ
VIPがいくらラウンジの心配をしても意味がないのでVIPはいつも通りに学校に来た
学校に来て一番最初に向かったのはお菓子の居る場所
「あ、お菓子!」
VIPはそう言って笑顔を作りお菓子に近づく
「ん?どうしたの?」
「いや、クッキーありがとうってラウンジが言ってたよ」
お菓子はVIPの言葉に驚いて目を丸くする
まさかVIPが本当にラウンジに渡してくれるとは思っていなかったんだろう
VIPに渡したのはただの賭けだ
負けたほうが夜ご飯を奢るということになっていた
渡す方に賭けたのはソフトドリンク一人で、あとは全員渡さないほうに賭けていた
「ほんとに渡してくれたんだ!?」
「うん、まぁ・・・」
少し顔を顰めて頭を掻くVIPにソフトドリンクは後ろでやったーっとバンザイしている
「優しいね」
ニヤニヤと笑うお菓子にVIPはムキになって反論する
「ば、バーヤ!優しくねぇよ!!」
「優しいねぇ」
「やっさしいねぇ」
顔を真っ赤にするVIPにお菓子とソフトドリンクはクスクスと笑いながら追い討ちをかける
VIPは顔を赤くしながら照れを隠すように言った
「ちょwww俺友達増えまくりwwww」
そんなVIPに急に冷めた顔になる二人にVIPは驚く
「「寝言は寝てから言え」」
おっおっおっ 死にたい
2006-06-01T21:11:01+09:00
1149163861
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長編2登場人物
https://w.atwiki.jp/2chgijin/pages/16.html
VIP 男 20代 イケメソ
ニュース速報 男 40代 親分肌 男やもめ
バカニュース 男 40代 ロマンスグレーの紳士
私のニュース 女 40代 キャリアウーマソ
シベリア 男 30代 青白いインテリ風。弱い
2006-06-01T20:52:29+09:00
1149162749
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キャラ5
https://w.atwiki.jp/2chgijin/pages/64.html
★ 801 ID:LYB1bsq3O氏
#ref(1148897625282.jpg)
★ 料理 ID:LVYp96Ku0氏
#ref(1148739661514.jpg)
★ VIP ID:D:tQ+7btUf0氏
#ref(vip264632.jpg)
★ メンヘル+α ID:y7aN3W+00氏
#ref(viploader170081.jpg)
★アニメ2ちゃん ID:JTqL6vna0氏
#ref(img20060531051931.jpg)
2006-06-01T20:51:04+09:00
1149162664
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短編43
https://w.atwiki.jp/2chgijin/pages/71.html
「今日はお団子の日じゃない!?」
車を運転していたVIPに向かってラウンジは自分の手帳を見ながら言う
お団子の日というのは近くに結構有名な和菓子屋があり、そこの安売りの日のことだ
和菓子が好きなVIPはいつも歩いてその和菓子屋に行っていたのだが、今日はラウンジの車を運転していた
ラウンジとVIPは産まれた病院も同じで、そこから大学まで同じ学校に通っていた
腐れ縁というやつだろうか
「今日何曜日だよ」
VIPはいつものように言うとラウンジは「水曜日だよね」と言った
おかしい・・・昨日は確かにトリビアの泉と言う番組がやっていた筈だ
「今日木曜日だろ」
「違うよ!水曜日だって!VIPは本当に曜日感覚がないなぁ」
「じゃあもし水曜日じゃなかったらお前なんかくれるんか?」
VIPの言葉にラウンジは慌てて確認するとニヤリと笑って頷いた
「じゃあもし水曜日じゃなかったらお前、団子奢れよ」
「いいよ」
ゴチになりますた
2006-06-01T20:45:16+09:00
1149162316
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短編42
https://w.atwiki.jp/2chgijin/pages/69.html
この時期、絶対に沸いてくるのがこの緑色の生物・・・
うねうねと地面を這い回り、葉っぱを食い荒らし、そして・・・気持ちが悪い
「ひぃっ!」
クラウンはビクビクとしながら芋虫が道路を横断するのを顔を引き攣らせてみている
余程怖いのかビクビクと震えているようだ
「芋虫か」
「虫きらい虫きらい虫嫌い」
ガクガク震えているクラウンにVIPは苦笑いしながら芋虫を木の枝で掬うと遠くに投げ飛ばした
回転しながら飛んでいく芋虫が走ってきた車にぶつかって消えうせた
「アッー!」
「死んだ?」
「たぶん」
その頃車のフロントガラスは大変なことになっていたそうです
2006-06-01T20:44:15+09:00
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