短編10

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VIPは高鳴る心臓の音に落ち着けとでも言うかのように深呼吸をする
格闘はVIPを見据えたまま、静かに呼吸をしながら構えた
先に地面を蹴ったのはVIPの方だった、自慢の足の速さで格闘との距離を一気に詰める
格闘はそれを見越していたかのように一歩足を下げるとVIPに向かって鋭い蹴りを繰り出す
その蹴りがVIPの左横腹を狙っているのに気が付くが、VIPの体は反応できない
まともに横腹に蹴りが入り、VIPの体は傾くが、倒れかけた足に力を入れると格闘の顔面を裏拳で殴る
頭に伝わってくる痛みと骨の軋むような嫌な音が頭の中で聞こえた気がしたがVIPは止めなかった
よろめいた格闘の胸倉を左手で掴んで引き寄せると体重を掛けた右ストレートを格闘の顔に振り下ろす
「邪魔すんな!」
VIPの声は曇っていたが、格闘にはハッキリと聞こえたような気がした
VIPと格闘は共に距離を開けたまま、睨み合ったまま、動かなかった

そして、その膠着状態を破ったのは格闘だった。
「スマン」
格闘は呟く。
それを合図に、vipへと一歩踏近寄ると、一気に飛び出す。
そして、その勢いを殺さず飛び出しざまに、中段の右蹴りをvipへと放った。
一方、vipも只待つだけではない。
格闘が歩み出すと同時に構える。
だが、その構えはどこかぎこちない物だった。
一度は格闘を退かせたとはいえ、vipの骨が折れているという状況が、
格闘技に関しては素人のvipの自信を奪い去り、不安を巡らせ、
結果として、vipの動揺へと繋がっていたからである。
だが、着実に迫る格闘の脅威。
そして、再びの衝突音が2人の身体を伝った。
「…ムゥ」
先に音を漏らしたのは格闘だった。
格闘の右中段蹴りを、中腰になったvipが左肘で押し上げていたからである。
そしてvipは、中腰のまま右腕を引くと、格闘の脇腹に拳を突き出し、衝突した。
がしっ、
だが、凡そ、肉と肉がぶつかりあって出る音ではない音が、
vipの拳と格闘の脇腹の間から発せられた。
「ちょwww」
つい、vipが口を開く。
しかし、今の2人に何か言葉を発している余裕はない。
特に今のvipには、である。
ひゅっ
と、vipの頭上で風を切る音がした。
格闘の右拳がvipに、叩き付けられる様に迫っていた。
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