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仄かな薄明かりの下で

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匿名ユーザー

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「海か・・・随分と遠くまできたものだな・・・」
崖下で白い礫となって砕けていく無数の波を見下ろしながら、ワシは半年前のことを思い出していた。
若い竜達の幸せそうな暮らし振りを見せつけられ、これまでの長い生涯で初めて芽生えた番いを求める欲求・・・
その欲求を満たすため、ワシは800年以上も離れたことのなかったあの山の湖を旅立ったのだ。
あの小僧は今も元気にやっているだろうか・・・?
そんないらぬ心配が時折ワシの脳裏を過ぎり、ただでさえ険しい顔に思わず苦笑を浮かべてしまう。
普段は気弱でおとなしいが、いざとなればワシにも歯向かうあの小僧ならば何も心配することなどないだろう。
「さて・・・これからどうしたものか・・・」
その場の勢いで山を出てきたのはいいものの、人間達の目を避けながらワシ好みの雌龍を探して歩くのは容易なことではなかった。
深い森を抜け険しい山を越え、延々と続く平原を歩き通してついに広大な海にまで突き当たったというのに、ワシは未だ1匹の龍も見つけることができずにいたのだ。
しかし小僧に黙って出てきた手前、今更手ぶらであそこへ帰るわけにはいかぬだろう。

「少し泳ぐか・・・」
ワシは行き詰まった花嫁探しの気分を変えようと、眼下に広がった紺碧の海へと勢いよく身を躍らせた。
ザバーンという音とともに盛大な飛沫が上がり、久方振りの冷たい水の感触と初めて見る海中の世界にこの歳になりながら子供っぽい好奇心が頭をもたげてしまう。
そしてウネウネと尾ヒレを靡かせながら青々と輝く水の中を泳いでいくと、ワシは大陸棚の岩壁にぽっかりと水中洞窟が口を開けているのを見つけた。
「なんと・・・こんなところに洞窟が・・・」
不意に胸の内に湧いた小さな期待・・・それが何なのか自分でもわからぬ内に、ワシはグルリと身を翻すと静かに海水で満たされた洞窟の中へと体を滑り込ませていった。

「・・・む・・・?」
陽光の一切入らぬ真っ暗な洞穴は途中までは水平だったものの、突如その先が地上へ向かって天を仰いでいる。
どこかへ繋がっているのだろうか?
薄っすらと目に入ってきた淡い光の粒を追いかけるように思い切り水を掻くと、やがてザバッという音とともに首の先がどこかの水面の上へと突き出していた。
「こ、ここは一体どこだ?」
「ほう・・・私の住み処に侵入者とは珍しいな」
突然耳に届いてきた声に驚いて背後を振り向くと、天井に空いた小さな穴からわずかに降り注ぐ日の光に照らされた洞窟の主が陸の上からワシを見下ろしていた。
灰色がかった薄い青と純白の2色に色分けされた滑らかな体・・・いわゆる、海竜という種族だろう。
頭からは深い紫色に染まったゴツゴツした1対の角が生えており、その背中側にはひょろ長く伸びた尾の先まで蒼と水色で形作られた甲羅状の文様が浮き出している。
手足の代わりに地面を捉えた透き通った2枚のヒレは雄々しい逞しさに満ち満ちていたものの、後頭部から長く伸ばした赤い髪と力強くも慈しみを帯びた金色の瞳がそれが雌であることをワシに告げていた。


「あ、ああ、済まぬ・・・ここは・・・そなたの住み処だったのだな」
反射的にそう言うと、ワシは無礼だとは知りながらも辺りをグルリと見回した。
地上からの入口がないぽっかりとした暗い空間を、自然にできたのであろう明かり取りを兼ねているかのような細かな穴の空いた天井が覆っている。
洞窟の中はワシが今通ってきた海へと続く水溜りと陸地で半々に分けられており、普段は水底で暮らすワシから見てもそこは海竜である彼女にとって実に住み心地のよさそうな場所だった。
「勝手に入って悪かった。ワシは退散するとしよう・・・」
だがそう言い残して再び水に潜ろうとしたワシの耳に、少し慌てたような彼女の声が届いてくる。
「ま、待つのだ!」
何事かと思って彼女の方へ視線を戻すと、自信ありげだった海竜の顔に微かな恥じらいの色が見え隠れしていた。

「・・・どうかしたのか?」
「お、お前は私の住み処へ無断で立ち入って、そのまま何食わぬ顔で帰ろうというのか?」
「ううむ・・・一体ワシにどうしろというのだ?」
そう聞き返すと、ワシは海竜の顔がほんのりと赤みを増したような気がした。
やがて面と向かって言われた償いの申し出にワシを直視できなくなってしまったのか、彼女がそっと俯く。
「その・・・ほ、ほんの少しでよいのだ・・・わ、私と・・・」
「・・・まぐわってほしいとでもいうのか?」
「ば、馬鹿者!ち、違う・・・いや、つまりだな・・・・・・」
彼女は見たところかなり長く生きている海竜のようだったが、流石に他の雄に求愛の言葉などかけたことがなかったのだろう。
気恥ずかしさのためか、凛とした美しい海竜の顔が今度ははっきりとそれとわかるように桃色に染まる。
喉の奥に引っかかって出てこなかった言葉をワシに先に言われ、彼女は早々に出鼻を挫かれたらしかった。

「ワシなら構わぬぞ」
どう取り繕ってよいのかわからぬといった具合に狼狽していた彼女を見かねて、ワシはポツリとそう漏らした。
その声に、彼女が恐る恐るワシの方へと視線を戻す。
「本当か?」
「勝手にここへ立ち入ったワシが悪いのだからな・・・それ、そなたの好きにするがいい」
ワシはそう言いながら水から上がると、ゴツゴツとした黒光りする岩の地面の上へと寝そべった。
そして海竜の目の前へと見せつけるようにいきり立った肉棒を曝け出すと、ゴクリという唾を飲み込む音がワシのモノを凝視した彼女の喉から聞こえてくる。
「ほ、本当によいのだな?」
「もともとはそなたが言い出したことではないか」
「う、うむ・・・」
まるで初めて雄の器官を見たとでもいうように、海竜が眼前にそそり立った肉の塔を興味深げに眺め回す。
だがしばらくしてようやく覚悟を決めたのか、海竜はワシの肉棒をその分厚いヒレでそっと擦り上げた。

ヌリュ・・・
「うぬ・・・く・・・」
水分を逃さないようにヌルヌルとぬめる粘液に覆われたヒレが、音もなくワシの肉棒へと凄まじい快感を送り込んできた。
滑らかな、それでいて力強いヒレの感触が、あの小僧の舌などよりも一層強力な刺激を生み出していく。
ニュルッ・・・ヌリュッ・・・リュッ・・・
「くあっ・・・な、なかなか上手いでは・・・ないか・・・」
「そ、そうか?ではこういうのは・・・どうだ?」
戸惑いながらもそう言うと、海竜は逞しい背筋でその長い体を支えながらワシのモノを両のヒレで挟み込んだ。
そしてまるで古の人間達が木の枝で火を起こした時のように、互い違いにヒレが擦り合わされる。
ゴリュッグリュッズリュッ
「ぬああっ!?」
一瞬にして尾の先から脳天までを貫いた強烈な快感に、ワシは珍しく大声で嬌声を上げながら仰け反っていた。

こ、これは・・・なんという心地よさなのだ。
まるで地下深くで煮え滾るマグマが火山の火口に向かって競り上がっていくかのように、体内に渦巻いていた興奮と疼きの結晶がワシの肉棒へと集まっていく。
だがこのまま雌の海竜に成す術もなく果てさせられるのは、どうしてもワシのプライドが許さなかった。
ヌルヌルのヒレの間で容赦なく肉棒を擦りおろされるという無上の快楽を必死で堪えながら、少しだけゴツゴツとした地面から背を離す。
「う、うぬ・・・」
そしてなおも膨れ上がっていく快感にブルッと身を震わせると、ワシは上半身から生えた短い腕を肉棒を弄ぶ彼女のヒレに向かって精一杯伸ばした。
だがそんなワシの抵抗を捻じ伏せるように、突如海竜がワシの伸ばした腕をヒレで絡め取る。
そしてそのまま雌とは思えぬ力強さでワシの両腕を地面の上へと押し付けると、彼女がヒレと同じくヌルヌルとぬめる体を躍らせてワシの体の上へとのしかかってきた。

「うぐ・・・な、何をする気なのだ・・・?」
長く伸びた尾のせいか、腹部にかかる海竜の体重は相当なものだった。
しかも唯一自由に動かせていたワシの尾にも彼女の不思議な文様の描かれた尾がクルクルと巻きつけられ、屈辱ながらあらゆる抵抗を一切封じられてしまう。
そしてさっきまでどことなく弱々しげだった海竜の顔には何時の間にか余裕の色が浮かんでいて、ワシは初めて陵辱される立場というものの惨めさを味わっていた。
「フフフ・・・こうも簡単にかかるとは、老獪な雄龍といえど他愛もない・・・もう逃がさぬぞ・・・」
海竜がそう言いながら、白く輝く滑らかな腹をワシの怒張へと押しつける。
ずっしりとした重みで肉棒が下腹に押しつけられ、ワシはこれから何をされるのかを悟って息を呑んだ。

「ま、待て・・・それはさすがに・・・うああっ」
だがそう言った瞬間、グリグリという音が聞こえてくるような勢いで海竜がワシの肉棒を柔らかな腹で磨り潰す。
彼女の体を覆った粘液が潤滑油のような役目を果たし、耐え難い刺激が肉棒全体にあます所なく叩き込まれた。
ズリュッ・・・ズリュッ・・・ズリュゥッ・・・
「ぐ・・・ぬあっ・・・や、やめぬか・・・はぁっ・・・」
まるで木材に鉋をかけるかのように、海竜が黄緑色の鱗に覆われたワシの腹の上を滑りながらさらに何度も何度も限界の快楽に戦慄いている肉棒を責めなじる。
ブシュッ
「くあっ・・・が・・・」
海竜の激しい責めがもたらした極上の快楽に、ワシはついに堪え切れず大量の精を放っていた。
勢いよく中空に放たれた白濁が彼女の腹を汚し、ワシの腹にも生暖かい感触を塗りつけていく。
そして優越感に満ちた視線でワシを見下ろす海竜の視線が、胸の内に屈辱的な敗北感を広げていった。

「ぐ・・・お、おのれ・・・初めからワシを謀っておったのだな・・・」
「当然だろう?たとえ同じ竜族であったとしても、他者の縄張りを侵す者にはそれなりの報いが必要だからな」
いまだ快楽に痺れるワシを嘲笑うかのように、海竜が腹下に敷いた肉棒へと追い打ちをかける。
グリ・・・グリ・・・
「う・・・うぅ・・・他者の縄張りなど・・・入ってみなければわからぬではないか・・・ぐあっ・・・」
なおも容赦なく肉棒を磨り潰す海竜の攻撃に、ワシは再び体を仰け反らせた。
「何だ、お前はこの洞窟が自然にできたものだとでも思っているのか?」
「・・・違うのか?」
「この洞窟は、他の雄の海竜が長い時間をかけて掘ったものなのだ。海竜はそうして自分で住み処を作るのでな」
その言葉で、ワシはようやくこの海竜の行動に合点がいった。
深い水底に沈んだ海中の洞窟を通ってこんなところまで来ることができるのは、ワシのような水に棲む龍か海竜くらいのものだろう。
だが海竜達はそれが誰かの住み処であることを知っているのだから、知らずにこの穴に迷い込むのはワシのような龍だけだということになる。

「つまり・・・ワシはまんまとそなたの餌に釣り上げられたというわけだな・・・」
「フフ・・・そういうことだ。さて・・・お前は久々の雄龍だからな・・・どうしてくれようか?」
過去に何匹もの龍を捕えたことがあるというような海竜の口振りに、ワシは激しい行為に火照った体が芯から冷えていくような気がした。
ようやく自分の置かれている状況の想像以上の危うさを痛感して、ゴクリと息を呑む。
「そ、そなたは龍に何か恨みでもあるのか?何故ワシにこんなことをするのだ?」
「別にお前に恨みはない。私はただ、私の夫になるに相応しい強い雄を探しているだけなのだ」
「な、何だと・・・?・・・ぐっ・・・」
驚きとともに起き上がろうしたワシの体に、海竜のズシリとした体重が預けられる。

「お前は歳を重ねているだけあってなかなかに意志が強いようだ。それにその凛々しい顔も、嫌いではないしな」
「な、ならばどうするというのだ?」
「フフフ・・・決まっているだろう?」
海竜はそう言うと、相変わらずワシの両手をヒレで地面に押さえつけたまま肉棒を押し潰していた腹をゆっくりと持ち上げた。
ヌチャ・・・
そしてあの滑らかだった腹の一体どこにそんな割れ目があったのかというほどに、真っ赤な花びらが淫らな水音を伴って彼女の白い下腹に大きく花弁を広げる。
「この私を満足させられるようなら、私の夫にしてやってもいい。もちろん、断るのはお前の自由だがな」
「フン・・・面白い・・・丁度ワシも妻にするべき雌の龍を探していたところなのだ」
だがそう言って先程の屈辱を晴らそうと眼を輝かせたワシに、海竜がグサリと先手を打つ。
「フフ・・・これまでの雄龍のように、早々に気を失って海に浮かぶようなことにならなければいいがな・・・」
「そなたこそ、あまりワシを見くびらぬ方が身のためだぞ」
身動きを封じられているという圧倒的に不利な状況にワシは精一杯虚勢を張ってみたものの、内心では次々と湧き上がっていく不安に打ち負けぬようにときつく牙を食い縛っていた。

「フフフ・・・」
ワシの虚勢を見破ったのか、海竜が勝ち誇った笑みを浮かべながらトロトロと蕩ける粘膜を肉棒へ近づけていく。
トロッ・・・
「くっ・・・う・・・」
成熟した海竜の膣は、半年前にまぐわったあの小娘のそれなどとは比べ物にならぬほど熱い蜜に濡れていた。
そしてその雄を惑わせる愛液を肉棒の上へと垂らし、海竜が快楽を焼きつけられたワシの様子をじっくりと眺め回す。
「はぁ・・・はぁ・・・うく・・・」
な、なんという熱さと・・・心地よさなのだ・・・
興奮に張り詰めた肉棒が、その桃色がかった愛液にじわじわと溶かされていくような気さえしてしまう。

トロッ・・・トロロッ・・・
「あ・・・うあぁ・・・」
その攻撃を効果ありと判断したのか海竜はさらに大量の愛液にワシの肉棒を漬け込むと、ようやく獲物を呑み込むべく下腹に咲いた淫らな口を左右に開いた。
「覚悟するのだな・・・いくら虚勢を張ったところで、眼の奥に燻った不安の炎は消しきれておらぬぞ」
ジュブ・・・ジュブジュブジュブ・・・
敏感な局部に纏わりついた愛液からもたらされる声も出せぬほどの快楽に喘いでいる間に、海竜が容赦なくワシの肉棒をその膣の奥深くへと丸呑みにしていた。
海竜の全身を覆ったツルツルと滑るような滑らかな外皮とは打って変わって、ウネウネと波打つ肉襞と細かな柔突起に埋め尽くされた蜜壷が差し出された贄へと一斉に襲いかかっていく。

ジュルッ・・・ギチュッ・・・ズリュ・・・ズリュ・・・
「ぐ、ぐあああっ・・・うああっ・・・!」
舌での舐め回しや柔らかな腹での磨り潰しなどとは明らかに次元の違う凄まじい快楽が、ワシの肉棒へと一気に、それでいて執拗に塗り込められた。
あらゆる生物の雌が持つ、屈強な雄を唯一屈服させ得る性の器官・・・
その中でも強大な雌竜のそれに逆らうことのできる者など、同じ竜族の中からも見つけることは難しいだろう。
初めて味わうその竜膣の獰猛さに、ワシは意識だけは失わぬようにと目を閉じて思い切り牙を食い縛っていた。
「く・・・う・・・ううぅ・・・」
「フフフ・・・普段は自尊心に凝り固まった雄龍が、私の責めでそんなに可愛い顔をするとはな・・・」
あまりの快感に身を引こうにも両手と尾はしっかりと彼女に捕えられていて、肉棒のすぐ下から生えている2本の足は空しく空を掻くばかり。
そんな逃げ場もない状況でこれ程までに激しい快楽を何度も味わわされては、いずれ力尽きて気を失ってしまうのは目に見えている。

「もう降参か?私に泣いて許しを請えば、離してやってもいいのだぞ・・・フフフフ・・・」
「う、うぐぐ・・・このワシが雌を相手にそんなことをするとでも・・・」
「だろうな・・・だがいつまでもそんな強がりが言えると思っているのなら、それは大きな間違いだぞ・・・」
そう言うと、海竜はワシに噛みつかれぬように注意しながらもその長い首をワシの首へと巻きつけた。
そして無防備に露出したワシの首筋を、尖らせた舌先でチロチロとくすぐり始める。
「な、何をする!?や、やめ・・・やめぬか・・・あっ・・・」
首筋に当てられたまま小刻みに震える海竜の舌先が厚い鱗を素通りし、ワシの隠された性感帯へと直撃する。
チロチロッ・・・チロッ・・ペロッ・・・
「あぅ・・・よ、よせ・・・はぅぁっ・・・」
「どうだ・・・心地よかろう・・・?フフフフフ・・・」
なおも続けられる雄龍の弱点を知り尽くした彼女の責めに、ワシはグツグツと煮え滾る屈服の証が肉棒へと向けて集まっていくのを感じていた。


ペロッ・・・ペロッ・・・レロッ・・・レロレロッ・・・
「は・・・ぁ・・・ぅ・・・」
成すがままに弄ばれて少しずつ弱っていくワシの様子に調子に乗ったのか、海竜が首筋に這わせる舌を徐々に大きく動かし始める。
初めはチロチロと鱗の隙間をくすぐるだけだったというのに、今や彼女の舌は首筋ばかりか快楽に仰け反って喘いでいるワシの顎の下にまで及ぼうとしていた。
下半身に渦巻く滾りはなおも肉棒へと向けて競り上がり、その奔流を堰きとめているワシの意志が崩壊するのを今か今かと待ち侘びている。
海竜もワシの限界が近いことを知っているのか、無言のまま一心不乱にワシの敏感な部分を舐め回しながらもその顔には勝利を確信したような笑みを浮かべていた。
彼女の身動ぎとともに膣に捕えられた肉棒へも切ない刺激が注ぎ込まれ、早く果ててしまえとばかりに盛んにワシを煽り立てている。

「お、お・・・の・・・れ・・・」
ギュウッ・・・
「ぐああっ・・・」
海竜は地面に押しつけられたワシの両手に最後の力が流し込まれたのを感じ取ったのか、その抵抗を捻り潰すかのように肉棒を根元からゆっくりと、万力のようにきつく締め上げた。
ドクンという一際大きな脈動とともに、射精を押し留めている堤防に大きくヒビが入る。
「フフフ・・・これまで私の中に精を放って意識を保っていた雄は誰もいない・・・お前も、無様に散るがいい」
グギュゥ・・・グリュグリュッ
「あが・・・あぁ・・・・・・」
海竜のとどめの一言とともに、ただでさえきつく締め上げられていた肉棒が握り潰されんばかりに圧搾された。
何層にも折り重なった凶悪な肉襞がワシの肉棒を吸い込むように靡き、敏感な先端をこれでもかとばかりに擦り上げ舐め回す。
その微塵の容赦もない一撃に、ワシは気力の糸が切れる音をはっきりと聞き取っていた。

ブシュッ・・・ビュルルッビュビュ~~・・・
屈服とともに全身に弾けた快感と呼ぶのも躊躇われるような苛烈な刺激が、辛うじて保っていた意識をガリガリと削り取っていく。
水に溺れてもがき苦しむ者がそうするように肉棒の横からはみ出した短い足が滅茶苦茶に暴れ回り、陸に上げられた魚のようにビクンビクンとのたうつワシの体を海竜が必死で押さえつけていた。
グチュッグチュッ
なおも射精を続ける肉棒を嬲るように膣が収縮を繰り返し、海竜が未だワシの中に残る意識の残滓を吸い上げていく。

「が・・・あ・・・あぁ・・・」
こ、こんな勝気な雌竜にこれほどの屈辱を味わわされるとは・・・も、もう耐えられ・・・ぬ・・・
だがいよいよ意識が途絶えようとしたその時、永遠に続くのではないかと思われた射精がようやく止まる。
文字通り1滴残らず精を吸い上げられ、ワシは激しい疲労と微かな安堵に目を閉じたまま体を弛緩させた。
その様子をワシが気絶したものと勘違いしたのか、海竜が両手を押さえつけていたヒレを離してワシの顔をそっと撫で上げる。
「フフフフ・・・口ほどにもない・・・なかなかにしぶとい雄龍だったが、この私とは釣り合わぬわ・・・」
おぼろげな意識の中で聞こえたその海竜の嘲笑と顔を摩るぬめったヒレの感触に、ワシは両手の拘束が解かれているのを感じていた。

今なら、海竜はワシが気絶したと思って完全に気を許している。
だが両手が自由になった程度では、この疲弊した体で逆転を望むのは難しいだろう。
もう少し、彼女が油断するのを待つ必要がある。
ワシはそう心に決めると、あくまで気絶した振りをしながらじっと息を殺して拘束が解かれる瞬間を待っていた。
やがて屈強な雄龍を制圧したという愉悦の余韻が終わると、ニュルッという粘液に滑る感触とともに彼女の尾がワシの尾から離れていく。
そしてワシの首に巻きつけられていた彼女の体に動きがあったのを確認すると、ワシは幾許か回復した気力を全身に注ぎ込んだ。
「ぬおおっ!」
大きな雄叫びとともに首と肉棒だけが海竜と絡まったような状態で彼女の体を跳ね返し、ゴツゴツした洞窟の地面の上をゴロンと横に転がる。
そして今度は下になった海竜のヒレを素早く地面に押し付けると、ワシは海竜に逃げられぬようにと尾同士をグルリと絡みつかせた。
「なっ・・・お、お前は・・・気を失っていたのではなかったのか!?」
一時も勝利を信じて疑わなかった彼女の自信に満ちた顔が、一瞬にして驚愕の色に塗り潰される。

「グフフフ・・・言ったはずだ。あまりワシを見くびらぬ方が身のためだとな・・・」
ワシはそう言いながら海竜の膣に根元まで咥え込まれていた肉棒を少しだけ引き抜くと、体重をかけながら一気にそれを膣の中へと押し込んだ。
ズブシュッ
「ぐあああっ!」
これまで一方的に雄龍を弄んできたせいで反撃など受けたことがなかったのか、その一撃に今度は海竜の方が激しく悶絶する。
「な、何故・・・一体・・・お前のどこにそんな力が・・・」
「ようやくそなたに弄ばれた報復ができるのだ・・・グフフ・・・これが興奮せずにいられるわけがなかろう?」
彼女のゴクリという息を呑む音が、ワシの耳へと届いた。
すでに彼女の顔にはさっきまでの余裕の色は微塵も感じられず、雌らしい潤みを含んだ眼でワシを睨みつけながらも不安に震えている。
その雄としての嗜虐心をくすぐる情景に、ワシはあれほど手酷く精を搾り取られたはずの肉棒がムクムクと大きく膨らんでいくのを感じていた。

「さて・・・お前はワシに恥辱を味わわせてくれた初めての雌竜だからな・・・どうしてくれようか?」
意趣返しに放ったその一言に、海竜の顔がますます不安に引き攣っていく。
だがやがて逆転の余地はないと悟ったのか、彼女は静かに眼を閉じて上気した顔を横に向けるとワシの前に無防備な首筋を露出させた。
「く・・・す、好きにしろっ・・・」
「フン・・・何だ・・・そう素直に折れられては、ワシも手加減せざるを得ないではないか・・・」
そう言いながら、彼女のぬめった首筋にそっと舌を這わせてやる。
「あぅ・・・く・・・」
敏感な首筋で舌先が躍る度に背筋を駆け上がっていく快感に震えながら、海竜の切ない喘ぎ声が薄暗さを増した洞窟の中に響き渡っていた。

ピチャ・・・・ピチャピチャ・・・
元々乾燥から身を守るために粘液に覆われているせいで、海竜の体を舐め回す度に小さな水音が耳をくすぐる。
「う・・・うぅ・・・」
海竜は最早完全にワシに体を許しているのか、地面に組み敷いていたヒレを離しても抵抗を示すことはなかった。
自由になった両手で仰け反っていた彼女の頭をこちらに向け、半ば恍惚の表情を浮かべているその顔を覗き込む。
そして一頻り彼女と目を合わせると、ワシは細く尖ったその口に自らの口をそっと重ね合わせた。
「う・・・ん・・・」
「むぅ・・・」
どちらからともなく熱い唾液を伴った互いの舌を絡め合い、しばしの間深い口付けに意識を埋めていく。
先程から結合したまま動きのなかった局部にも力が入り、上下に抽送を繰り返すワシの肉棒と左右に腰をくねらせる海竜の体が図らずも幸福な快楽で互いの内を満たしていった。

ズブッズブッ・・・クチュ・・・ヌチャッ・・・
「お、おおお・・・」
「うっ・・・くぅ・・・」
ワシが彼女に一方的に巻きつけていた尾はいつしか螺旋を描くかのように互いに絡み合い、両の手とヒレが相手の体を優しく摩り合っている。
チュパッ・・・
「あっ・・・」
没頭していた口付けを不意に中断され、海竜が蕩けたような瞳でワシを見つめた。
「敢えてワシの方から告白しよう・・・ワシの・・・妻になってはくれぬか・・・?」
「な、何だ・・・と・・・?」
まだ夢見心地なのか、海竜が途切れ途切れに言葉を絞り出す。
「気丈だが素直なそなたの性格・・・ワシも気に入ったのだ。もちろん、断るのはそなたの・・・」
「フ、フフフ・・・断る理由など・・・あるものか・・・」
ワシの声を遮るように発されたその言葉とともに、海竜が肉棒をそっと締めつけた。
自らの夫と認めた雄の精を受けようと蠢く彼女の膣から、純粋な快感だけが肉棒へと流し込まれていく。

ビュビュッ・・・
この数分の内に辛うじて回復したわずかな精が、再び海竜の中へと放たれた。
その微かな刺激に、お互いの体がピクンと跳ね上がる。
「す、済まぬな・・・もう、これしか残っておらぬようだ」
「フフ・・・何を言うのだ・・・夜はまだ、始まったばかりではないか・・・」
彼女の言葉につられるようにして、ワシは洞窟を覆った天井へと視線を向けた。
太陽という光の王者が眠りにつき、代わりに煌煌と眩い煌きを放つ幾千万もの星々が空を覆っている様子が天井に空いた穴で小さく切り取られた窓からも窺える。
「そういえば・・・初めてあの小僧と会った日の夜も、このような快晴の夜空であったな・・・」
「何か言ったか・・・?」
「いや・・・何でもないのだ・・・忘れてくれ」
ワシはそう言うと、なおも何かを言いたそうにしていた彼女に口付けした。

「んっ・・・んん・・・」
「うぬ・・・むぬ・・・・・・」
遥か遠くに佇む霊山から旅をしてきた雄の老龍と海中に住み処を構える成熟した雌の海竜が、陽の落ちた今もキラキラと輝く水溜りの辺で幸せな愛の行為に耽っている。
天井から差し込む仄かな薄明かりの下、2匹の番いはようやく満ち足りた生涯の第1歩を踏み出し始めたのだった。



感想

  • 竜が色っぽくていいと思います。
    このシリーズの続きが読みたいと思いますね。
    SS便乗さんのSSは特に好きなので
    これからも執筆頑張ってください。
    -- 名無しさん (2007-08-29 14:02:41)

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