概要

他の獣人と違って根拠地を持たず、多くの者が放浪しながらの個人生活を送っている。
中には家族単位で他種族の集落や都市に溶け込んで暮らしている者も居るが、
何れにしても種族として一致団結した共同体を形成する事がない極めて稀な種族であると言える。

その個人主義から結束した種族として歴史の大舞台に噛むような事は少ないが、
691年の第二次コンシュタット会戦には800余人のゴブリン傭兵団が参戦している他、
彼の水晶大戦に於いては同じく傭兵を生業とするゴブリンが、
獣人血盟軍・アルタナ連合軍の両陣営に雇われ、激戦を繰り広げていた。
尤もゴブリン族が特定の権威に与しない事は夙に知られていた為、
同大戦時にジュノに籍を於いていたゴブリンの商社ブードリクスは、
獣人ながらもアルタナ連合軍の各主要都市に於いて、その商売を認められていた様である。

周知の通り大戦は血盟軍側の敗北に終わったが、
闇の王の復活が囁かれる現在、再びゴブリンの傭兵達がズヴァール城に集まりつつある様だ。


集団生活と言う意味では一族同士の繋がりが希薄なゴブリンだが、
彼らならではのネットワークを示す物として専用のリンクパールの存在が挙げられる。
これは新生児がその生誕の儀式に於いて、耳の裏を切開されて埋め込まれる物で、
それを通じて広域の思念放送が展開されており、実に様々な情報が流れているのだという。
使用者は思念波を用いて好みのチャンネルに切り替えるだけで良く、
例えば釣り人ならば天気予報をリアルタイムで聞く事が出来る、といった非常に便利な物の様だ。

放浪と商いを旨とするその身軽さ故、ゴブリンの生息地は人間同様、極めて広域に渡り、
北はラゾア大陸で毛皮を捌き、南はクゾッツ諸島の砂漠で水脈を探し、
果ては冒険者として、人間や他の獣人すら踏み込まない僻地にまで赴く者も居る。
また高い技術力とその専門分野の多様さでも知られ、
特に鍛冶や彫金術では人間をも凌駕すると言われており、
生来の感覚から古物に宿る魂を嗅ぎ分け、その真価を見定める事が出来るのだという。

その技術面から類推するまでも無く、ゴブリンの知性は非常に高い。
魔法を修得している者は多く、また殆どの者が人間の共通語を操る事が出来る。
人間との交流度合いに応じてその流暢さには個人差があるが、
中には言葉のプロとして通訳や雑誌記者になる者までおり、
人間に勝るとも劣らない彼らの多芸さと専門性を示している。
以下にゴブリンの記者が投稿した一片の記事を紹介するので、是非御一読して頂きたい。



人間や他の獣人と同じ様に独自の命名規則があり、
末尾がixは男性、oxは女性となっている。
また仇名と本名に意味の類似性を持つ者が多い。

武装

  • 行人装備

放浪生活に適した生活用品を一式に纏め上げたゴブリンの基本的なスタイル。
腰には飯盒やカップを吊るし、冒険者には特に馴染みの深い
大容量のバッグには充分な量の飲食料・食器・寝具が詰め込まれている。
この装備は最早彼らの風習とも呼べるもので、
都市部で定住を営む者達ですらこの格好をしている。
その革製防臭マスクと耐光ゴーグルは、彼らのトレードマークであると言ってもいいだろう。
シーフタイプは短剣、狩人タイプは短剣か細剣にクロスボウ、獣使いは片手斧、
白・黒魔道士は両手棍で武装し、赤魔道士は細剣を愛用する。


  • 傭兵装備 1

青銅と鋼鉄で作られた専用の板金鎧。
ゴブリンの身体に密着する無駄の無い意匠である為、他種族が流用する事は出来ない。
全身を覆うその重量から少しでも敏捷性を勝ち取る為か、
背面のバッグはやや小さめとなっている。
戦士タイプの得物は片手剣・片手斧・両手剣と多岐に渡り、
暗黒騎士タイプは片手剣か両手剣で武装する。


  • 傭兵装備 2

ムバルポロスや近東で見られる赤色鎧のタイプ。
所々剥げかかった塗料はもしや敵の返り血なのであろうか。
文字通り目の色が違うその双眸も相俟って一種おどろおどろしい空気を醸し出している。
部下と思しきゴブリンを引き連れていたり、通常の個体とは一線を画す実力を見せ付けるが、
戦況次第では寝返る事も辞さない非情の傭兵である。
目下確認されているのは戦士タイプのみで、
クラブ系の片手棍かグラットンソード系の片手剣で武装する。

  • 歩哨装備

20年前の水晶大戦時に見られた傭兵装備の一種。
羊革製と思しきマスクと水産物を納める柳の魚篭が特徴で、
実際に魚篭を分解すると掘りブナやサーモンを取り出す事が出来る。
Goblin Picket(歩哨)や Goblin Skirmisher(散兵)といった名で戦場を広く徘徊し、
地雷である Goblin Mine を散布していた。
また獣人血盟軍のみならずアルタナ連合軍に与していた者達も多かった様である。
ジョブタイプは外見の軽装が示す様にシーフと狩人の2タイプのみ。
両者共に短剣で武装し、狩人タイプは更にクロスボウを携行する。

戦闘力

知覚:視覚(暗視)
弱点:光
耐性:無
移動:並

四六時中耐光ゴーグルを付けているだけあって光に弱く、夜間は飛躍的に視界が伸びる。
基本的なWSは2つで、ただダメージを与えるだけのシンプルな物であるも、
どちらも空蝉で対処しづらいだけにやや厄介であるとは言える。
自爆は彼らが意図しない形で暴発するコミカルなものだが、
HP依存ダメージである為戦闘開始直後に使用されると甚大な被害を被る事になる。
尚ムバルポロスに棲息する個体は、これらに加えモブリンのWSも使用する。

WS(通常個体)
ゴブリンラッシュ 標的単体 物理ダメージ。3回攻撃
爆弾投げ 標的中心範囲 火ダメージ
爆弾投げ(自爆) 標的中心範囲 HP依存火ダメージ

(Goblin Archaeologist)
榴弾投げ 標的中心範囲 火ダメージ

(デュナミス)
運命のダイス 敵単体 ダイスに応じた様々な効果

拠点

  • ジャンク屋マックビクス

前述のようにゴブリンは拠点を築く事が無いが、
最も規模の大きい定住生活が営まれているのがここマックビクスである。
水晶大戦に於いて人間とも戦った事があるマックビクス老がジュノ下層に開いた雑貨屋で、
一般の店ではお目にかかれないゴブリン独自の品々を販売している。
裏には秘密のパブ「ゴブリンズゴブレット」があり、
その食事目当てに優秀なゴブリンの職人達が立ち寄っているという。





店内の内装は小奇麗なジュノの一般家屋と同様で、
外見上はゴブリン独自の色はそこまで出ていないが、
並べられた劇薬や下手物、そして奥から立ち込めてくる煙から
匂いの方はかなり独特な物であると思われる。
居並ぶ面々は何れも共通語に堪能で、対価さえ支払えば
鞄の拡張や種族装備等、独自のサービスを提供してくれる為利用価値は非常に高い。



人間にとって極めて卑近で親しみを覚えやすいゴブリンだが、
彼らの味覚もまた相対的に人間に近いものであると言える。
下手物をよく交える為に料理の外見はやや不気味ではあるも、
用いられる食材の殆どは人間のそれと共通であり、
実際に食してもステータスがマイナスにされる事も少ない逸品である。
クゥダフやキキルンが煮込んだスープ類を呷った事がある者にとっては尚更そう感じられる事だろう。

年表


691年 第二次コンシュタット会戦。シーフ、黒魔道士らから成る800余人のゴブリン傭兵が王国側に付き参戦。

861年 闇の王、獣人指導者をズヴァール城に集め人間諸国の壊滅を宣言。

862年4月 獣人血盟軍がノルバレンに侵入。水晶大戦勃発。

863年8月 ズヴァール城陥落。多数のゴブリン傭兵が夢の世界デュナミスに囚われる。

863年9月 闇の王封印される。

864年3月 アルタナ連合軍、共同集結宣言発表。水晶大戦終結。

877年 各地で人間と獣人との紛争が激化。闇の王復活の噂が流れ始める。

884年 冒険が始まる。