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「本能の眠る場所」
初出
『恋愛美人if』2007年7月号
あらすじ
今の彼氏も含め、過去に付き合った男の誰との性行為でもいったことがないキャリアウーマン・百合子。自分は不感症で、性的欲求を覚えないまま、人生が終わるのだろうと思っていた。
ある夜、バーで独りで飲んでいた百合子に、一人の男性が声を掛けてきた。耳元で誘惑の言葉を囁かれ、背筋を走る感覚に襲われた百合子は、彼の誘いについていってしまう。そして、生まれて初めて快楽の絶頂に達する。
名前も知らないその男性との、2度目の逢瀬。あまりの快感に混乱し、不安になる百合子。恋人との性行為では感じないことを相談してしまう。男性は百合子に、百合子が男性のことを好きなのではないかと問う。
尋ねられて、百合子は胸が苦しくなる。立ち去る男性に、せめてと思い自分の名前を告げるが、何にもならない。後日百合子は恋人と別れ、男性にもう一度会いたい旨を連絡するが、返事はなかった。
さらに数日後。仕事の接待で料亭を訪れた百合子の前に現れたのは、その男性だった。混乱する百合子。彼と百合子は一度、仕事で会ったことがあった。だがバーで百合子が気付かなかったので、男性は初対面の振りをしていただけだったのだ。
乱れた夜のことを忘れてほしいと頼む百合子。「そんなんしてるとまた心が眠るよ」といさめる男性。苦しいので忘れてほしいと続ける百合子に、それが恋だと返す。そして百合子を抱きしめ、片想いではないから、苦しくなくなる、と囁く。百合子はその腕の中で目を閉じ、彼の名前を呼んだ。
みどころ
ストーリーがシンプルな分、性描写が濃厚。苦しさ、戸惑い、混乱といった感情が絡められ、厚みのある描写となっている。
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最終更新:2009年07月02日 01:17
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